この記事では、水性塗料を使って行うキャンディ塗装について解説していきます。
しばらく前に、お手軽キャンディ塗装と称してSDガンダムのサザビーをキャンディ塗装しました。
しかし所詮お手軽はお手軽。
あの時はあまりキャンディな効果が得られず、微妙な感じでした…
ということで、今回は真面目にやってみます。
ラッカー系塗料のキャンディ塗装記事は巷にあふれてますが、水性塗料でここまでやるのはそんなにないと思います。
因みに、今回使用する機体はこちら、ガンダムヘッドコレクションからサザビー(SAZABI MSN-04)です。
かっこいい…ほんとかっこいいわ。。
まずは、このサザビーをキャンディ塗装でさらにカッコよくしていきます。
2体?2頭あるので、一つはキャンディ塗装、もう一つはメタリック塗装にして、のちほどその違いも比較してみるつもりです。
キャンディ塗装とメタリック塗装の違いとは?
ちょっと前まで、メタリック塗装とキャンディ塗装は同じものだと思ってました。だいたい同じじゃないの?なんか違う?みたいな感じ。
でも、ネットでいろいろな情報が簡単に手に入るようになってはじめて知りました。この両者は、基本的な制作工程と仕上がりが全く別物です。
キャンディ塗装というのは、塗装の手法のことで、下地にメタリック塗料を塗って、その上に透明なクリアカラーを塗装します。
透明な層越しに、下地のメタリックが透けて見えることで、まるでキャンディのような透明感と艶感が得られます。りんご飴みたいな感じですね。
一方、メタリック塗装は、一般的には塗装の方法じゃないんですね。ここが違ってた。
各塗料メーカーからメタリックカラーというカテゴリの塗料が販売されており、これらのメタリックな質感を持つ塗料を使うことで塗装しますので、普通のメタリック塗装では、塗装方法には特別なものはありません。
両者の塗装方法は異なりますし、そもそも使う塗料も違うので、見え方は別物です。
因みに図にするとこんな感じです。
キャンディ塗装の製作フロー
さて、まずはキャンディ塗装から行っていきます。今回のキャンディ塗装のメニューです。
- 下準備する(塗装面のヤスリがけとマスキング)
- シルバーでベースを塗装する
- クリアレッドを塗装する
- クリアコートを塗装する
- コンパウンドでみがく
しかし、水性塗料は、ラッカー塗料と比較するとどうしても発色も被膜も弱いので無事ここまで辿り着けるかどうか…
どこまでいけるか正直どこまでいけるか分かりませんが、頑張ってみます。今回使用するクリアレッドとクリア塗料です。
●タミヤアクリルミニ X-27 クリヤーレッド
●タミヤアクリルミニ X-22 クリヤー
ガイ〇ノーツじゃなくたって、クレオ〇G〇じゃなくたってできるとこ見せます!
また、塗装は筆ではなくエアブラシを使用します。薄く均一に塗装したいので、やはりエアブラシが適しているかなと思います。
下準備する
まずは下準備です。サザビーの頭を分解して、塗装面にヤスリがけをしておきます。
少しでも塗料の食いつきを良くするためですね。プロクソンのペンサンダーが大活躍です。
で、いつものようにマスキングです。今回はパーツも少ないので簡単です。
シルバーでベースを塗装する
まず最初に、ベースとなるシルバーを塗装します。
(シルバーの下地のさらに下にはブラック(艶あり)を塗装しています。ちょっとここ撮り忘れました…これも普通のタミヤアクリルミニのブラックです。)
キャンディ塗装は、下地のシルバーが重要だなと思います。
クリアカラーの上から透けて見えるこのシルバーがなんとも言えない雰囲気を醸し出すので。
なので、この下地のシルバーをグラデーションにしたりして、模様をつくっておくとより趣のあるキャンディになると思います。
でもまあ、今回は普通に塗装します。
ん……。ちょっと深みが足り気もします…。
やはり、この段階でも若干ラッカー塗料には発色で劣るのか…いやいや。
この後のクリアレッドとクリアコートで挽回しましょう。
まずは、クリアレッドを6回塗装する
ココからは、ひたすらクリアレッドを吹いていきます。4層まではできるだけ薄く、5層と6層でキャンディの光沢を出すイメージです。
水性塗料だからかどうかは分かりませんが、最初の方を薄くせずに、いきなり厚くして重ねていくと、ムラが出来て気持ち悪いキャンディになります。(なりました。)
とにかく、焦ると塗料が垂れたり、ムラになるので、ゆっくりと薄い膜を重ねていきます。
まずは、1回目。
ほとんど色が乗っていないくらい薄く吹いてます。この段階だと…シルバーのざらつき感が凄くて「ホントにキャンディになるのか…」と心配になります。
そして2回目。
まあこんな感じ。そして3回目。
ようやく色が乗ってきた感じ。下地のシルバーのざらつき感がいい感じに見え始めました。
前回のSDサザビーはここまででした。でもやっぱり、さすがにこれではキャンディ感が薄すぎでしたね。
今回は更に重ねていきます。まだまだいくぜ4回目。
ちょっと艶が出てきましたね。ムラもなくいい感じです。
さて、こっからが本番の5回目。少し厚めに吹きます!
いいんじゃないの?!色に深みが出た気がします。
しかし、これで満足してはいけない!今回は、更にこっからもう1回行きます。6回目のクリアレッド塗装。
これもしっかり厚めに吹く!ただし、良く乾かしてからね。
クリアレッド最後の6回目!
でました。りんご飴!
きましたね。
因みに、これはちゃんと乾いた状態です。6回目で来た感じ。
水性だって頑張ればできるな!
いい「りんご飴」感がでました。ということで、クリアレッドを吹くのはここまでにします。
これ以上吹くと、綺麗な赤みがドス黒く沈んでしまいそうなので、ワタシはここまでにします。
この後、更に更にクリアコートを吹いて、コンパウンド磨いていきます!
キャンディ塗装の前半まとめ
実は、ここに来るまでに、2度ほどやり直しています。マジックリンでシャカシャカですよ…
最初は、4回目の塗装あたりで、塗装面についた埃を取ろうと思ってピンセットでひっかいたら塗装を剥がしてしまいました… 下地のシルバーがむき出しになったところが3か所発生したくらいであきらめました。修復不能です…
次は、3回目の塗装あたりでした。乾いたなと思って、パーツをつまんだら、指紋が付きました。そのまま塗り重ねても良かったのですが…
なんかめちゃくちゃ頭にきて、マジックリンをぶっかけました…
しかし、まあなんつーか、水性塗料っては…
被膜がよわい!!
乾くのおそい!!
ほんと塗装って奥が深い。