この記事では、用語解説③で説明したt塗装前の基本加工とは別に、一般的に広く行われているガンプラの美観を向上させるディテールアップの手法について書きます。
1.ゲート処理 →2. パーティングライン消し → 3.肉抜き穴埋め→4.ヒケ処理→5.ダボ穴処理→6.後ハメ加工→7.合わせ目消しと大変な加工が続いてきましたが、ここから先は、やってて楽しいディテールアップ加工ですね。
私はここが一番好きなところです。
ただ、これらの加工も楽しいけれど、大変な作業です。
なので、全部行う必要は必ずしもありません。
このサイトで説明する処理や加工を全部行うと、途中で止めたくなってしまう可能性があります。
これらの処理や加工について「どこまでやるのか」という部分は、製作者自身が納得できるところまでというのが良いです。
私は手抜きをしながら、サクッと作りたい派なので、さぼることが多いです(笑)
100人いれば100通りのやりようです。
ディテールアップの三大加工
この記事では、ディテールアップの為の基本加工として「スジボリ」・「裏打ち加工」・「エッジ出し」の3つの加工について書きます。
ガンプラのディテールアップと言ったら、それはもう果てしないくらいの手法があります。
ここで挙げるのは、あくまでも基本となる加工です。
といっても、どれをとっても極めるのに相当に時間を要するものです。私なんかいつまでたっても上達しなくて、いつも他のモデラ―さんの作品を見てため息をついています。
また、途中でめんどくさくなったり、元に戻せなくなったり、他のモデラ―さんの作品の方法に目移りしたりして、途中で投げ出してしまうことが私にはあります…
やり始めたらきりがありませんし、場合によっては飽きてくるので、製作の間にどこまでやるかを決めてから始めるのが良いと思います。
上手くはありませんが、工具を用いたテクニックについての記事は、サイト内の別記事に詳しく載せましたので、そちらを参照ください。
筋彫り(スジボリ)
プラモデルのパーツの表面には、機体のパネルラインを再現するのに微細な溝が彫られています。
このパーツの情報量を上げる微細なラインは、最初からパーツに入っているものもあります。
また、ガンプラ製作技術が上がり、より美しい機体にしてみたいと思うようになるについれて、パッケージ通りのデザインに近づけたり、あるいは、オリジナルのデザインで情報量を加えたりするために、新たに溝を追加することも出てきます。
このように、もともとある溝をより明確に深堀したり、新しく溝を追加することを筋彫り(スジボリ)と言っています。

スジボリは、一般的にけがき針やタガネという道具を使って掘ります。
それこそ、その道具と手法はさまざまで、自分に合った手法を見つけ出すのが一苦労です。
いろいろな紹介記事を見ますが、自分に合っていない方法はホント長続きしません。
技術を習得するにも少し時間がかかるので、自分に合った方法を探して、いいなと感じたら技術を高めていくのが良いと思います。
このスジボリは、少しの手間で、作品の見栄えがぐっと変わってくるので、ガンプラ製作の中でもメジャーな加工です。
確かに、本当に満足のいくスジボリは私も難しいと常々思っていますが、ちゃんとした方法を知り、時間をかけて丁寧な作業を心がければ、誰でも筋掘りが楽しめるので、パチ組で完成させたいという方も、ぜひチャレンジしてほしい加工です。
裏打ち加工
「裏打ち」という加工は、最近は2つの意味で使用されています。
実際に行う作業は似ていますが、加工の意味が少し違うので、注意が必要です。
一つは、改造の過程で、パーツ表面のボリュームを少なくしたり、窪みを設けたい場合などに、パーツを削り過ぎて穴が開いたり、強度が落ちるのを防ぐために、パーツの裏側にパテやプラ板等で補強しておくことを「裏打ち」と言います。
もう一つは、パーツの裏側にある肉抜き穴や窪みに、細工を施したプラ板を貼ったり、パテを詰めた後にスジボリをいれてたりすることでパーツ表面の情報量を上げ、美観を向上させることを「裏打ち」と言います。
すなわち「ディテールアップ」を前提とした加工です。

基本的には、あまり見えない部分に施す加工なので、必ずしも必要な加工ではありません。
しかし、見えない部分までこだわっていくことで、ガンプラ製作のスキルが向上し、作品に対して強い愛情もわいてきます。
加工の方法はいくつかありますが、慣れると、それほど難しい加工ではないので、ワンランク上のガンプラを製作するために、積極的にチャレンジしていきたい加工です。
エッジ出し
エッジ出しとは、簡単に言うと、パーツの「角」をヤスリなどの工具を使用して、よりはっきり角を出し直す作業です。

ガンプラのパーツのエッジ(角)は、製作者を傷つけないようにという安全面へ配慮から、パーツの角を丸くしていたり、わざと角をが立たせない「バンダイエッジ」と呼ばれる特殊な面構成を採用していたりします。

しかし、このエッジ部分に丸みがかかっていると、組み立てた時に機体のメリハリが失われて、なんとなくオモチャっぽい感じに見えてしまいます。
そのため、より完成度の高いガンプラを作るためには、本来のあるべきエッジの形状にパーツを加工する必要があります。
上手なモデラーさんの作品を見ると、パーツのエッジがキレッキレでシャープなものが多いのですが、これらはみな丁寧にエッジ出しされた作品です。
まとめ
私が個人的にディテールアップの基本だと考えている3つの加工を紹介しました。
これ以外にも「モールドの追加、彫り直し」、「プラバン加工」などいろいろとありますが、ここで挙げた3つすら極めるのは非常に難しい加工です。
あれもこれもとやらなければいけないことが増えていくのがガンプラです。
ガンプラの作り方は人さまざまですので、あくまでも私目線のディテールアップの基本的な加工を3つに絞ってまとめました。まだまだです。
ただ、最初から、あれやこれやと考え出すと気が重くなってしまうので、まずはここまで!と決めて処理を進めていくのが良いのではないでしょうか?
これらの処理については、別項目で記事していますので、そちらも参照ください。
では、基本のディテールアップ加工まとめです。
- 情報量を手軽に増やして美観倍増の「スジボリ」
- 見えないところまでこだわる心意気の「裏打ち加工」
- 機体の輪郭をシャープに見せる「エッジ出し」