今回は、シモムラアレック RAGIA2(ラギア2)の紹介とその使いどころについて紹介します。
これもレビュー記事があふれているツールですけども。
買ったけど、あんま使ってなくね?!
的なツールなんじゃないかなと思います。
C面処理の方法っていっぱいあるからね。
結局これじゃなくてもいいじゃんみたいな。
でも、これはこれでかなり優れものな点があります。
そこが意外と気付かれていないのかも…
とういうことで、ここでは使いどころというか実践的な使い方を中心に解説していきます。
C面。
C面ってよく聞くし、パーツの中でもココのことでしょ?
ってゆうのはよく知られているけど、どこをC面にして、そのC面をどんな状態にすれば一番綺麗に見えるのか
って部分が重要なんじゃないかと。
ワタシはそんな風に思う訳です。
RAGIA2(ラギア2)の仕様
取り敢えず、取説?と実物です。


素 材 :ハイカーボン特殊刃物鋼
厚 み :約0.38mm
サイズ :約60mm x 約45mm
表面処理:3.0ミクロンニッケルメッキ
刃付け :鋸職人 手技術 両面各0.01mm
用 途 :樹脂類の切削
多数の角部面取り加工面処理部があり、角度やRのサイズによって様々な加工に対応
と書いてあります。
ただの金属板じゃないんですね。
エッジには、ちゃんと刃がついているのです!!
しかもなんかいろいろできそうな感じ!
その前に。
C面とは
まあ、いわゆるC面処理用のツールな訳ですが、そもそもC面って何?
みたいなところをちゃんとさらっておくと
きれいな処理もできるんじゃないかな。

C面ってゆうのは、強度の高い材料を断裁したりプレスして型抜きしたりすると、断裁した端の部分にバリなんかができて、凄く鋭利になって危ないから、この部分(上の図で言うとバリ)を取り除いて、角を緩やかにする面取り加工(エッジ処理)のことを言うわけです。
この面取り加工にはいくつか種類があって、たとえば、角を丸く加工する「R面取り」とかがあるんだけど、その中でも、角を斜めに切削することが「C面取り」と呼ばれているんですね。

C面は、よく図面上で「C5」や「C10」というように「C」と「数字」で示されてます。
ガンプラやってるとこんなのは知らなくてもいい事だけどね。
まあ、そうゆうものなんですよ。
因みに、「C」は、chamfering(面取り)の頭文字で、一般に45度のC面を意味してます。
その横に付く数字は、切り取る辺の寸法(長さ:mm)です。
つまり、上の図で言うと、3ミリの直角二等辺三角形部分を面取るということになります。
これ。
直角二等辺三角形で切り取る!!
って部分が、すごく重要なんですよ。
ガンプラに適したC面とはなにか?
綺麗に見せるために、直角二等辺三角形をキープしながら面取りすると、
そりゃまあ、綺麗に見えそうなんだけど、
そもそもこのC面ってのは、断裁面で怪我をするリスクを減らすための処置なんで、
ガンプラじゃ必要ないんじゃないの?
なんて疑問も出るわけなんだけど。
確かに、なんでもかんでもC面にすればいいという訳ではないと思う。
いわゆる小さい子供たちの手に傷をつけないように配慮された「バンダイエッジ」なんかは、C面にしなくても鋭角に見せた方がカッコいい場合もあるわけで。
つまり、ガンプラにおけるC面は、
(1)視覚的な情報量を高める効果を狙いたい部分 と、
(2)面取り部分の平行や角を綺麗に出すことで美しく見せる効果を狙う部分
っていうのをちゃんと見極めるってことが重要なんだと思う。
偉そうに言ってるだけで、そこまで全然できてないけどね(笑)
でもやっぱり、並行が出ていなかったり、直角二等辺三角形がでてないと綺麗に見えないよね。

C面を含め、ガンプラのどの部分を「エッジ出し」するのかってゆうと代表的なところで次の4箇所が考えられるけど。
①通常のエッジ ②特殊なバンダイエッジ ③C面 ④逆エッジ
この辺りはまたひまなときに別記事で考察してみたいと思う。
面取りツールとしてのラギア2が優れている点
さて。
ラギア2に話を戻しましょ。
このラギア2ですけど、C面処理に適している理由があるわけですね。
それは直角に等辺三角形が作り易いってところ。
先ほど書いた
(2)面取り部分の平行や角を綺麗に出すことで美しく見せる効果を狙う部分
に対して効果的なツールなんですね。
なぜなら、
このラギア2には、135°を削れる刃が5カ所もついてるわけですよ。
これだけあると、パーツの形状がいろいろあってもだいたいどれかが使えます。

C面を綺麗に出すのに、サフを拭いたり、マジックで塗ったりすると良い!みたいな記事があって、
それは本当にそうなんだけど、
このラギア2は、
角度をちゃんと押さえているから、
そんな手間をかけなくても、かなり綺麗なC面が削れる
ってところが推しなんですよ。
ラギア2を良く使うところ。
オーソドックスにC面処理から。
こんな感じになる。

それから、逆エッジの処理。
これはあんまり記事なってないけど、ラギア2が使えるところ。

でもって、曲面の表面処理。
曲面でも、合わせ目の処理にはあんまり向かないかな。

まとめ
ということで。
いずれにしてもシモムラアレック RAGIA2(ラギア2)は有益なツールです。
まとめって程でのないけど、C面処理を何のために行うのかを考えてやれるときっといいものができるのではと思います。
1.RAGIA2(ラギア2)の仕様
・ただの金属板じゃないよ。
2.C面とは
・エッジ処理の一つ。本来のC面の意味はバリ取りだよ。
3.ガンプラに適したC面とはなにか?
・情報量のボリュームアップ効果
・美しく見える効果
4.面取りツールとしてのラギア2が優れている点
・135°の角が簡単に再現できる!
5.ラギア2を良く使うところ。
・①C面、②逆エッジ、③曲面の処理