ガンプラ用のニッパーは、塗装するかしないかを前提に考えると選び易いこと知っていますか?
この記事では、塗装スタイルに合わせた最適なニッパーの選び方とおすすめニッパーについて解説します。
これを知っていればニッパー選びでもう迷うことはありません。
塗装スタイルに合わせたおすすめニッパー3選
塗装スタイルとニッパーって関係あるの?と思われる方も多いかもしれません。
しかし、関係は大ありで、自分の塗装スタイルを把握しておくと自分に最適なニッパーが見つかります。
塗装しない人向けのニッパー
最近は塗装の必要をあまり感じないRGなどのディテールアップキットが増えてきましたし、そもそもタイパ重視で塗装せずにすぐに飾りたい人も多いと思います。
そんなパチ組派にとっては、ゲート跡をできるだけ残さない切れ味の優れたニッパーが必要です。
ゴッドハンド アルティメットニッパー5.0 GH-SPN-120
★ゲート跡や白化の発生を極力抑える究極の切れ味を求める人向け

言わずと知れたプラモデル用ニッパーの最高峰と言っても過言ではない、究極の切れ味を追求したニッパーです。
あちらこちらでレビューされていますが、アルティメットニッパーは、パチ組をする人のためにこそあるニッパーなのです。
これ1本あれば、ゲート処理なしでもいいと言えるくらいの美しい切り口で、めんどうなゲート処理をしなくてもそのままキットが飾れます。
タイパ重視のパチ組派にはこれしかないという至高の1本です。
実際にゲートを切断してみます。

するとこんな感じ。
ほぼほぼゲート跡に白化が生じていません!さすがの切れ味です。

かなり拡大してもこんな感じなので、ぱっと見では分かり辛いレベルと言っていいと思います。

パチ組で飾りたいという人には超おすすめです。
部分塗装・簡易塗装をする人向けのニッパー
全塗装まではハードルが高いので、簡易塗装で仕上げたいという人も多いと思います。
目の細かいヤスリでゲート跡を簡単に処理し、部分的に塗装して、最終的にはトップコートを吹いて全体をコーティングといったフローの場合、多少のゲート跡は消えてしまうので、ゲート跡に特化した高額モデルのニッパーは必要ありません。
ただ、それでもやはり、できるだけゲート跡が綺麗になるに越したことはないので、タイパとコスパのバランスがとれたニッパーが必要となります。
タミヤ クラフトツールシリーズ No.123 先細薄刃ニッパー
★部分塗装・簡易塗装をするので、見える部分のゲート跡はなくしたい人向け

そんな人には、タミヤの先細薄刃ニッパーがおすすめです。タミヤ No.123 先細薄刃ニッパーは、タミヤのクラフトツールシリーズの超人気のニッパーです。
先細形状に仕上げた繊細な刃先が特徴的で、その名の通り剃刀の様に薄い刃先によって、高額な片刃ニッパーほどではないけれど、ゲート跡もほとんど気にならないレベルまで抑えることが可能です。
コスト的にも性能的にも充実したバランスの取れたニッパーです。
こちらも実際にゲートを切断してみます。

若干、切り口に白化が確認できますが、800番くらいのヤスリがけで簡単に処理できるレベルですね。

たぶんこの程度の白化なら、爪で擦るだけでも消えてしまいますが、塗装を前提とするなら、ヤスリで平らにならしておく方が無難です。

800番のヤスリをかけてみました。すると。ほぼゲート跡は消失しました。

簡易塗装したいけど、がっつりゲート処理したくないという人には、まさにおすすめのニッパーです。
全塗装をする人向けのニッパー
全塗装までしたい人は、最終的にはヤスリがけでパーツ全体を整えることが多いため、ゲート跡がニッパーでどれくらい綺麗になるかはそれほど重要なことではありません。
ゲート処理専用に非常に高価なニッパーが売られていますが、どんなゲート跡も塗装してしまえば、見えなくなりますから、全塗装をする人にはゲート処理専用の高価なニッパーは必要がないということです。
ゴッドハンド 普通のニッパー GH-PN-125
全塗装するので、普通に切れれば良く、ゲート跡はあまり気にしない人向け

そんな人には、ゴッドハンド 普通のニッパーがおすすめです。
ゴッドハンドのエントリーモデルで、プラスチック模型のゲートカット専用ニッパーです。握りやすく疲れにくい「ソフトグリップとパッキンバネ(特許技術)を採用しており、作業性も追求しています。
薄刃仕様なので、メインニッパーとしても、セカンドニッパーとしても申し分ない1本です。同社からはゲート処理を極めたアルティメットニッパー5.0が発売されていますが、全塗装派にはあまり必要がないのかなと思います。
では実際にゲートを切断してみます。

まあ、やはり白化は生じていますね。
普通のニッパーは、シンプルに切断することに特化していますから、これはそういうものだと思って買うべきニッパーですね。


白化が生じるからと言って、このニッパーが良くないということではありません。
結局塗装するなら、全てのパーツのゲート処理、ヤスリがけなどは行うことになるので、次項のような使い方をすれば、なんら問題はありません。
アルティメットニッパー5.0やタミヤ先細薄刃ニッパーの様に繊細なニッパーではないので、ガンガン使いたい人には超おすすめのニッパーです。
白化を最小限に抑えるニッパーの正しい切り方
ニッパーの主な用途は、パーツとゲートの切り離しにあります。
ニッパーの値段や性能の違いは、このパーツの切り離し時に生じる「白化をどれくらい抑えられるか」に比例していると言っても過言ではありません。
しかし、いくら高価なニッパーを使っても、ニッパーだけのゲート処理で完全に「白化」を抑えることは困難です。
逆に言うと、この項で説明する「白化を極力抑えるための正しいゲート処理方法」さえマスターすれば、高価なニッパーは必要ないと言えます。
白化は生じるもの
ニッパーは構造的に、どうしてもプラ素材に白化を生じさせてしまいます。
そのため、どんなに高価なニッパーを使うとしてもパーツぎりぎりのとこで、切断することは得策ではありません。
パーツに白化を残さないためには、ゲートを1ミリほど残してニッパーで切断するのがベストです。(タイパを重視する方や塗装する方は、若干白化が残っても、高額なニッパーでパーツぎりぎりのところで切断するというやり方で構わないと思います。)
下の画像は、ゲート処理の入門編と言われるバンダイのエントリーニッパーで切断したものです。

バンダイのはコスパ最高のエントリーニッパーなので、ある程度ゲート跡が残るのは仕方がないですね。
そして、下の画像は、ゲート処理の最高峰と言われるアルティメットニッパーで切断したものです。

確かにバンダイのエントリーニッパーと比較すると段違いにきれいですが、完全に切断痕がないかいうと若干残っているように見えます。
1ミリほどゲートを残して切断する
結局のところ、どんなニッパーを使っても、パーツぎりぎりで切断すると大なり小なり白化が生じるので、本気でゲート跡を無くしたいなら、1ミリほどゲートを残して切断します。


デザインナイフでゲートを削り取る
次に、1ミリほど残したゲートをデザインナイフで少しずつ削り取ります。
この時、ゲートの1方向からだけでなく、左右両側から削り取ることで、白化を抑えることができます。アートナイフの平刃を使うと平らな処理がし易くなります。


目の細かいヤスリでならす
デザインナイフの処理で構わない方は②までで十分です。
パチ組の後、トップコートをする方や、塗装する方は目の細かいヤスリで切削面をならしておくとより美しいゲート処理になります。画像は、1000番のヤスリでならしています。
ここまで丁寧にやると、かなりきれいになります。


ゲート処理前のパーツとの比較画像です。

このように、ゲート跡が残っていても、丁寧に処理を行えば、きれいになるものです。つまり、高いニッパーを買えばよいということではないということです。
高いニッパーを買う理由があるとすれば、ゲート処理の手間を軽減し、全体の作業効率をあげるためということです。
■ゲート処理の方法
①ニッパーで1ミリ程度残してゲートを切断する
②デザインナイフで1ミリ残したゲート跡を平らに削る
③800~1000番くらいのヤスリで表面をならす
まとめ
この記事では、塗装スタイルに合わせた最適なニッパーの選び方とおすすめニッパーについて解説しました。
これを知っていればニッパー選びでもう迷うことはありません。