ガンプラ製作時、ゲート跡に残る「白化」すごく気になりますよね。
この記事では、白化現象を最小限に抑えるニッパーの正しい使い方・切り方について解説しています。
白化を抑えて最高に美しいパチ組を飾りましょう。
白化を最小限に抑えるニッパーの正しい切り方
プラモデル用ニッパーの主な用途は、パーツとゲートの切り離しです。
ニッパーの値段や性能の違いは、このパーツの切り離し時に生じる「白化をどれくらい抑えられるか」に比例していると言っても過言ではありません。
しかし、いくら高価なニッパーを使っても、ニッパーだけのゲート処理で完全に「白化」を抑えることは困難です。
例えば、下の画像は、ゲート処理の入門編と言われるバンダイのエントリーニッパーで切断したものです。しっかり白化が生じています。
そして、下の画像は、ゲート処理の最高峰と言われるアルティメットニッパーで切断したものです。
たしかに、アルティメットニッパー5.0の方が切断面はきれいですが、良く見れば、若干白化の後が残っているのが分かると思います。
結局のところ、どんなニッパーを使っても、パーツぎりぎりで切断すると大なり小なり白化が生じます。
なので、ニッパーだけでゲート処理を行おうとすると、この白化問題を完全に解消するのは難しいのです。
白化を極力抑えるための正しいゲート処理方法さえマスターすれば、高価なニッパーは必要ありません。
1ミリほどゲートを残して切断する
ニッパーは構造的に、プラ素材に白化を生じさせてしまいますから、絶対に白化させたくない場合はパーツぎりぎりのとこでゲートを切断するのは厳禁です。
なので、パーツに白化を残さないためには、ゲートを1ミリほど残してニッパーで切断しましょう。
但し、タイパを重視する方や塗装する方は、若干白化が残っても、高額なニッパーでパーツぎりぎりのところで切断するというやり方で構わないと思います。
デザインナイフでゲートを削り取る
1ミリほど残したゲートを、デザインナイフで少しずつ削り取ります。
この時、ゲートの一方向からだけでなく、左右両側から削り取ることで、残したゲートにかかる圧力を分散し、白化を抑えることができます。アートナイフの平刃を使うとより平らな処理がし易くなります。
目の細かいヤスリでならす
デザインナイフの処理で白化の跡が気にならなくなった人は、そのままで十分です。
ですが、パチ組の後、トップコートをする方や、塗装する方は、目の細かいヤスリでゲート跡をならしておくとより美しくなります。
画像は、1000番のヤスリでならしています。
ゲート処理前とゲート処理後の画像を比較してみると、その違いがよく分かります。
左がゲート処理前のパーツ、右が今回の手順でゲート処理したパーツです。
ここまで処理するとほとんどゲート跡は消えてしまいます。つまり、ゲートを1ミリ残して切断するゲート処理の方法なら、高額なニッパーでなくても、美しいゲート処理が可能ということになります。
効率的なゲート処理3選
薄刃ニッパーで、切り口を極限まで整えたなら、その後に続く作業も最大限に効率化したいところです。
ここからは、ゲート処理を更に効率的に行うための3つのコツを紹介します。
見えないゲート跡は無視
パーツを切り離した後、仮組をして全体のバランスを確かめたら、一度バラして、パーツ毎にゲート処理を行うかどうかを選別しましょう。
次の1~3に該当するパーツはゲート処理をしないことを検討してみてはどうでしょうか?
ゲート処理しない箇所にはマスキングテープの切れ端を貼っておくと分かり易くなり、更に作業効率が上がります。
- 組み立てた後に表面に出てこないゲート跡
- 塗装する部分のゲート跡
- デカールなどを貼る予定の部位にあるゲート跡
隠れて見えなくなるゲートというのは実は結構たくさんあります。
無差別にゲート処理するのではなく、ゲート処理前に仮組をして、処理の要不要を確かめておくと効率的な製作に繋がります。
まとめてゲート処理
ゲート処理するパーツを決めたら、ヤスリがけもまとめて行います。
好みによりますので一概には言えませんが、ワタシの場合は600番のヤスリがけを全て行ってから、800番でヤスリがけを行います。
1パーツずつ600番と800番のヤスリをかけると効率が悪いだけでなく、ヤスリをかけ忘れる部位が必ず出てきます。
なので、ダブルチェックのつもりで、全てのパーツに600番のヤスリをかけ終わってから、800番でヤスリがけします。
ペンサンダーで時短
ゲート処理のヤスリがけもペンサンダーを使うと更に効率的です。
600番と800番のヤスリをセットしたアーバーを用意し、順に削っていきます。ペンサンダーを使えば、地道に手でヤスリがけをするのと比較して5分の1くらいまで時間短縮が可能です。
ペンサンダーの場合も番手の異なるヤスリをセットしたアーバーを何本か用意しておくと非常に効率が良くなります。
また、後で段落ちモールドにするつもりのパーツは、組み合わせた状態でヤスリ掛けするとパーツを別々にヤスリ掛けするよりもずっとキレイになります。
まとめ
この記事では、白化現象を最小限に抑えるニッパーの正しい使い方・切り方について解説しました。
(1)白化を最小限に抑えるニッパーの正しい切り方
・1ミリほどゲートを残して切断する
・デザインナイフで削り取る
・目の細かいヤスリでならす
(2)効率的なゲート処理のコツ
①見えないゲート跡は無視
②まとめてヤスリがけ
③ペンサンダーで時短
白化を抑えて最高に美しいパチ組を飾りましょう。