ガンプラ用ニッパーにもいくつか種類があるのをご存じですか?
この記事では、ガンプラ製作に欠かせないプラモデル用ニッパーの種類と正しい選び方を解説していきます。
自分に合ったニッパー選びで無駄な出費を無くしましょう!
ガンプラ用ニッパーの種類
例えば、カッターやデザインナイフのように同じ切る物でも種類があるように、ニッパーにもくつかの種類があります。
意外と知られていないのですが、デザインナイフなどよりもニッパーは高価なので、これを知らないと大損してしまうこともあります。
細かく分けるときりがないので、ここではガンプラ製作を主眼においてニッパーを3つに分類します。用途や目的に合ったニッパーを選択しましょう。
硬線用ニッパー(強力ニッパー)
硬線用ニッパーは、真鍮線や針金などの硬いものを切断するためのニッパーです。
一般的なニッパーとして認知されているのがこれです。ニッパーの先端が肉厚で、細かい作業には向いていませんが、頑丈で雑に扱ってもちょっとやそってでは壊れません。
ピアノ線が切れるものと切れないもの(配線用)があるのですが、どちらでも良いのでガンプラ用に1本持っていると便利です。
TSUNODAやクニペックスなどのブランドが有名です。
ガンプラ製作での利用シーン
・関節補強のために使う真鍮線の切断時
・ランナーを廃棄する時の太めのランナー切断時
こんな感じのワイヤーカッターでも良いと思います。
この硬線用ニッパーでランナーを切るとこんな感じです。切れ味鋭いというよりはぐちゃっとつぶして切る感じです。
硬線用ニッパーは、余りまくったランナーを廃棄処分する時に大活躍します。
樹脂用ニッパー
プラモデル用ニッパーなどとも呼ばれています。
プラスチックなどの樹脂を切断するこの樹脂用ニッパーは、鋼線用ニッパーよりも刃を薄く鋭利に加工しているので、よりプラモデル製作に適しています。
シャープな切れ味に加え、切断面もきれいで、フラットに切断できます。
しかし、この様な鋭角な刃のニッパーで硬い針金を切るとほぼ間違いなく刃を破損しますので絶対にNGです。
ガンプラ製作での利用シーン
・ゲートを少し残してパーツをランナーから切り離す時
・プラ板、プラ棒の加工時
このプラモデル用ニッパーでランナーを切断するとこんな感じになります。
硬線ニッパーよりも切り口がスパッと鋭い感じです。
ゲート処理専用薄刃ニッパー
薄刃ニッパーは、樹脂用ニッパーの刃先を更に細く、薄く、鋭利にしたもので、精密部品などを切断する時に適しています。
刃が極端に薄いので、ゲートを残さずにパーツを切り離しても、ほとんど白化が生じることがなく、切断面が驚くほどきれいになります。
文字通り薄刃ですから、真鍮線どころか少し太めのプラ棒を切断するだけでも刃がかけてしまうほど繊細で、取り扱い要注意ニッパーです。
ガンプラ製作での利用シーン
・ゲートを残さず直接パーツをランナーから切り離すゲート処理(のみ)
※他の用途では使用しない
この薄刃ニッパーでランナーを切断するとこんな感じです。
円形の切断面の直径部分に白い線、つまり白化している部分が見られますが、プラモデル用ニッパーと比較すると随分と白化が押さえらえているのが分かります。
因みに、これはタミヤ クラフトツールシリーズ No.123 先細薄刃ニッパーで切断したものです。
この薄刃ニッパーの中でも、刃と切断物それぞれの負荷を減らすために、刃同士が噛み合うことがないように片方にだけ刃をつけた「片刃ニッパー」というのがあります。
ゴッドハンドのアルティメットニッパー5.0が有名です。
これを使うとまた切り口の状態がさらにちがうのですが、こいつでランナー切るというのはちょっとしたくなので画像はなしです。
ゲートを切った画像はこんな感じです。かなり拡大しているのでゲート跡が見えますが、実物大にするとほとんどゲート跡が分からないレベルの切れ味です。
⇒超簡単!片刃・両刃・薄刃ニッパーの特徴解説の記事を読む
ニッパーを末永く使う3つの重要テクニック
ニッパーは意外と高額なツールでが、あくまで消耗品。必ず切れなくなる時がきます。
しかし、値の張るツールだからこそ、少しでも長く使いたいという思いは多くのモデラーが持っているのではないかと思います。
ということで、一線級のニッパーを少しでも長く愛用できるように、ニッパーを長く使うための3つのテクニックについて解説します。
1.パーツに対してニッパーの刃を垂直に入れる
ニッパーの刃の当て方で大事なことは角度です。パーツに対して、垂直に刃をあてることが大切です。
というのも、プラモデル用のニッパーは「薄刃」と言われるように文字通り刃が薄いので、非常に繊細です
切っている最中に持ち手やランナーがぶれたりすると、刃が曲がってしまったり、折れます。
切り口を綺麗にし、また刃を守るためにもパーツに対して刃を垂直にいれることが肝心です。
それを怠るとこうなります…
2.ゲートを切り出すときの重要度と順番
ゲート処理は非常に手間のかかる作業なので、しっかりやるところと手を抜くところを切り分けると効率的になります。
例えば、こんな感じの肩パーツのゲート跡は、この上から肩アーマーを被せると隠れてしまうので(飾った時に表に出ないので)、あまり慎重になる必要はありません。
また、パーツを切り出す時に、切る順番を考えておくとリスク回避に繋がります。
ゲート切断では、一番最後に切るゲートには最も負荷がかかりますので、切り出す前に折れたり、白化し易くなります。
この時、ゲートをよく見ると、ゲートには太いゲートと細いゲートがあることに気付きます。
ゲートにかかる負荷のことを考えれば、やはり細いゲートから切り離し、一番太いゲートは最後に切断するのが得策です。
このように切断する順番を決めておく癖をつけると良いと思います。
3.ゲートに入れる刃の向きを考える
ニッパーの場合は、ゲートの広い面に刃を入れるというのがコツです。下の画像はダメな刃の入れ方です。
上の画像は、ゲートの断面で見た時に両短辺から刃を入れています。これは長辺を切断することになるので、長辺を挟む場合よりも圧力がかかり白化が生じ易くなります。
一方で下の画像では、長辺を両側から挟んでいるので、パーツへの圧力が分散されて、白化が起きにくくなりますし、刃への負担が軽減できます。
上図のように、長辺を挟む刃の入れ方を心掛けましょう。
まとめ
ではこの記事のまとめです。
この記事では、ガンプラ製作に欠かせないプラモデル用ニッパーの種類と正しい選び方を解説しました。
用途をよくに考えて、無駄のないニッパー選びをしましょう。