この記事では、リモネン系・エポキシ系・黒い瞬間接着剤など、ワンランク上のガンプラ製作に欠かせない接着剤について紹介します。
以前の記事で、基本の3種(スチロール樹脂用セメント・ABS樹脂系セメント・瞬間接着剤)を知っていればだいたい問題ないといいましたが、それはホントにその通りです。
ですが、今回はもうワンランク上の接着剤の種類とか使い方についてお話しします。
セメントは基本の3種類で十分とは言っても、どっかで、「ん?こんな時どうすんの?」というシーンが出てくるのがガンプラです。
恥ずかしながら、ワタシも知ったかでいろいろやってきて、ほんとに知らんかったわ!ということが良くあります。記事を書きながら勉強させていただいてますね…
いろんな記事を書いてくれる全ての人に御礼ですね。
特にガンプラやってる人の記事は丁寧なような気がして頭が下がります。
しかし接着剤、奥が深いわ…
スチロール樹脂用接着剤の豆知識
まずは、基本のスチロール樹脂用接着剤についての豆知識です。
とにかくスチロール樹脂用接着剤って一番使いますから、いろいろと知っておくと良いことをまとめました。
まずは、リモネン系接着剤!
接着剤の匂いが苦手な方向けの商品があります。
柑橘系の香りで、刺激臭を抑えた商品なんです!!!
これはオレンジの皮から抽出した天然素材「D-リモネン」を主成分としたスチロール樹脂用接着剤で、写真のモノは流し込みタイプではなく、一般タイプになります。
パーツに塗布して、パーツを溶かして、接着するタイプです。
効能は普通のスチロール系接着剤全く変わりません…。
なので、セメントの臭いが苦手な方、奥さんから「臭い!」って言われて困っている方にうってつけです。
ただ、いい匂い!
違いは香りだけなんです!
ワタシも匂いを嗅ぐためだけに買いました。
あぁ~ いいにおいや。ワタシはもともとセメントの臭い好きなので大好きです。
これを考えた人天才です。

てゆうか、瓶も可愛いしね。
流し込みタイプの塗布方法について
流し込みタイプのスチロール系接着剤の使い方です。
この流し込みタイプは毛細管現象を利用して、接着剤をパーツの隙間に浸透させていきますので、
1.パーツとパーツの間にちょうどよい隙間を作っておく
2.一度に全部流し込まず、位置を変えながら何度かに分けて流し込む
のがコツです。
ワタシはこんな感じでポストイットを活用しています。
いつも使う訳じゃないけど、ここって時には挟みます。失敗したくないし。
紙一枚分くらいが絶妙の隙間です。
すすーっとセメントが流れ込んでいきます。

おぉー。
絶妙。
廃棄ランナーを溶かしてカラーパテに!
カラーパテを作りましょう!
作り方は簡単です。
1.廃棄ランナーを、細かく切断
2.刻んだランナーとスチロール系セメントを瓶に入れる
3.一晩寝貸す ⇒ 完成!!
ガンプラと同色の接着剤になったり、簡易パテとして利用できます。


実際のところ、これもいつも使うってわけではないけど、あると使えますね。
こうして作るカラーパテは、粘着性が高いので、利用にはコツがいりますが。
やはり溶かすとプラ素材の組成が変わるのか、乾燥した後は切削し易いような気がします。
気泡に注意が必要です。
溶剤として使うセメント(接着剤)に、プラ材を溶かす効果があることを利用した手法ですが、パーツを溶かしますので、パテとして大量に盛ると、盛られたパーツの方が溶けたり、ふにゃふにゃになるので、こちらも注意が必要です。
パテった後、乾いたかなーと思って、補修カ所をみたらぐにゃってたなんてことになります。
なので、ちょっとした傷埋めなどに使うくらいが良いと思います。
スチロール系セメントが固くなってきたら薄める?
んーー…。
スチロール系のセメントがドロドロになってきたら、「ツールクリーナーとかラッカーシンナーで、薄めると使い易くなる」的な記事を見かけますが…
これは止めた方がいいかと思います。
やはり接着力が落ちますね…。
確かに一見サラサラになって「復活したじゃん!!」みたいに見えますけど。
なんか化学反応おきてますから。
まあ、でも一度やってみると分かると思います。
値段も高くないので、シンナーなどの溶剤を買い増すくらいならセメントの方を買い直した方がお得だと気付くのでは?
エポキシ系接着剤
スチロール系の接着剤は塗装した後に使うと塗装を溶かしてしまうんですよね。
なので、塗装後に取り付ける小物パーツや透明パーツは、スチロール系接着剤がちょっとでもはみ出すとすっごく汚くなってしまってリカバリー不可能な感じになることもあります。
ワタシは「まあ、ちょっとくらいなら…」でやらかしたことが何度かあります…
そして、瞬間接着剤も、塗布部分の周りが白くなってしまう時があるから、塗装後にはできるだけ使いたくないんですよね。やめといた方が良いと思います。
そんなときは、エポキシ系接着剤が便利です。
エポキシ系接着剤は、基本的にプラスチックや塗装面を溶かしません。
そして固まっても瞬間接着剤のように塗布部分の周りが白くなったりせず透明なので目立ちませんね。
さらには、エポキシポ系接着剤は、はみ出した箇所を固まる前ならエナメル溶剤で落とすことができます。
墨入れした後にエナメル溶剤ではみ出し部分をきれいにするあの要領です。
綿棒で拭き取れるので、綺麗にリカバリーもできますよ。
ということで、透明パーツや塗装後の小物パーツはエポキシ系を使うと美しく仕上げが出来ます。

上は、タミヤ エポキシ接着剤 5分硬化タイプです。
2液混合型エポキシ接着剤です。Amazonで今すぐチェック
WAVE 黒い瞬間接着剤とその使い方
最後は、WAVE黒い瞬間接着剤(高粘度タイプ)です。

これ、最初どこで使うの?
って感じだったんですけど、塗装する人にとっては使い始めるとやっぱいいですね。
色がついているから、どこに入り込んでいるのかよく分かります。
この視認性が素晴らしいですね。
接着もそうだけど、ヒケ処理に、つまりパテ替わりに使うともっと分かり易いかもです。
高粘度なので、とにかくパーツへの食いつきがいい!

ただ、その後の切削のことだけ考えると「タミヤ瞬間接着剤イージーサンディング」の方が削り易いです。黒い瞬着は固まると固い!!
因みに、この黒い瞬間接着剤は硬化スプレーと一緒に使うことで、本領を発揮します!
高価スプレー使わんと、ちっとも固まらん!(本音)
高粘度だからか?!
イマイチ使えんと思っていましたが、その悩みを硬化促進スプレーが一瞬で解決します。
ひと吹きで、ほんとに秒で固まります。
驚きですよ。

そして、黒い接着剤は、自然乾燥だと若干ヒケる気がします。
そんなに気にしないしって人もいると思いますが、瞬着のヒケは気になる人も多いと思います。
まあ、結構、容量が多めにはいっているから、あんまりけちけちしないで使えばいいんだけどね。
因みに、この「黒い瞬間接着剤」は、というか瞬間接着剤系は、逆さまにして保管しています。
(刷毛タイプは逆さまにしません。)
普通に立てておくと、出口付近に空気がたまることになり、硬化が始まって固まってしまいますので、常に出し口あたりに接着剤をためておく意味で逆さまに保管しています。
まとめ
接着剤って奥が深いですね。
もっといろいろな使い方ができるような気がします。
では、この記事のまとめです。
1.スチロール系接着剤
(1)リモネン系 ⇒ 香りが良い!それだけ!
(2)流し込みタイプの接着方法 ⇒ ポストイットはさんで隙間を作ろう!
(3)スチロール系の特色を生かして ⇒ 刻みランナーでカラーパテを作ろう!
(4)ドロドロになってきたら薄めるのってあり? ⇒ なし!やめとこう!
2.エポキシ系接着剤
⇒ 塗装した後ならこれ一択!塗装を溶かさない。白くならない。
3.黒い瞬間接着剤
⇒ ヒケ処理に大活躍!高価スプレーと一緒に使おう!