【ディテールアップ 2/3回】プラ板で魅せるガンプラ装甲の基本工作5ステップ!

基本工作編08 テクニック

この記事では、プラ板(プラバン)を使ったガンプラ装甲ディテールアップの5つの基本ステップについて解説します。

ディテールを作り込む前に型取りやプラバンの切り出しなど「基本工作」は欠かせません。

プロのモデラ―さんたちの細工はどれもこの基本工作の上に成り立っています!

基本工作をマスターしてオリジナルのモールドパターンを制作しましょう。

プラバンの基本工作できてます?

プロのモデラ―さん達の様々なディテール工作どうやって作ってんの? 

ワタシは今でも謎に感じています。

でも、よくよく観察してみると、意外と簡単な基本工作の組み合わせだったりすることが見えてきたりもします。

プロの方たちも基本をしっかりと押さえた上で工作してるんですね。

ここでは、装甲裏のディテール工作を通して、プラバンの切り出しや貼り合わせの工作を基本的なところからコツを交えて説明していきます。

複層プラバンを用意する

ガンプラでは、同じ形状のパーツを作り出すことが良くあります。

ディテールアップしようと思うと、まあ、ほとんどそうですね…。

めんどくせ… などと思ってはイケマセン!

ここでは、効率的に同じパーツを作る工夫を説明します。

まずは、はめ込みたいパーツを測定して、それよりも大きなプラバンを2枚用意します。

必要なパーツの数だけ切り出してください。何個でもいけます。

基本工作編07

この2枚のプラバンを、瞬間接着剤で貼り合わせます

もちろんこの2枚重ねのプラバンは、同じパーツを二つ作る為のものなので、後で剥がして二つのパーツに分割しますので、剥がしやすさも意識して貼り合わせる必要があります。

この時、コツが2つあります。

①プラバンの艶のある面同士を貼り合わせる
②瞬間接着剤は切り出したい形状の中心にほんの少しだけ塗布する

タミヤのプラバンセットに入っているプラバンには、艶のある面とマットな面があります。

次の画像は同じタミヤのプラバンの表と裏を並べて撮影したものです。

左の方は、電球の光が反射していますが、右のほうは反射していません。

基本工作編13

タミヤのプラバンの裏側は、着色し易いようにマットに加工されてるんですね。

マットな面は、つまり表面に微細な凹凸があるわけで、瞬着で貼り合わせると、艶のある面同士を貼り付けた時よりも接着剤が隙間に入り込み易く結合が強くなってしまいます。なので、ワタシは後で分割を容易にするために艶のある面同士を貼り合わせるようにしています。

もっとも、どちらの面を使っても、塗布する瞬間接着剤の量が重要です。

瞬着は強力なので、ほんのわずかで十分。

ワタシの瞬着の量の目安は直径0.5~1mm以内です。

基本工作編02

瞬間接着時も柔らかい方が剥がし易い気がします。

これはあくまでも個人的な感想ですが。

なので、ワタシはタミヤのイージーサンディングこれを愛用しています。

マスキングテープで型を取る

次に、装甲裏の形に合わせてプラバンを切り出すために、型紙を作ります。

マスキングテープを装甲に貼り付けて、鉛筆などで切り出したいパーツ形状を縁取ります。

この時も、コツが2つあります。

①マスキングテープを破らないように凹ませないように縁取る。
②できるだけ細い線で縁取る。

型紙はできるだけ正確に作成した方がいいですね。

簡単そうに見えますが、これが意外と難しい。

基本工作編11
基本工作編09

マスキングテープは意外と伸びやすいし、破れやすいものです。

形状を正確に出す為には、マスキングテープに穴を開けたりはできるだけ避けたいですね。

また、切り出したパーツは、やすりやデザインナイフで微調整するのですが、

後の工程をできるだけ効率的に行う為にも、誤差の範囲をどれくらい狭められるかという部分が重要かなと最近思います。。

ですから、線は細ければ細い方がいいですね。

雑にやると大体うまくいきませんよ。これほんとです。慎重に慎重に。

基本工作編14

ガンプラのスミ入れ用のシャーペン0.3mmを使っています。

細さがちょうどいいですね。

プラバンに貼って切り出す

では、次は先ほどの2枚重ねのプラバンに型を取ったマスキングテープ貼ります。

線に沿って慎重に切り出しましょう。

でもこれが結構重要で、難しい工程なんですよね。ここでもコツは2つです。

①線の外側を切り出す(気持ち大きめに切り出す)
②断面は垂直を心掛ける

切り出したパーツは、微調整が必要です。

デザインナイフややすりで削るので、やはり気持ち大きめに削り出す必要があります。

大きいのは何とでもなりますが、欲しい形状よりも小さくなってしまったら…

やり直しですね…

それから、貼り合わせて切り出すのに、この二つのプラバンは微妙にサイズが異なります

えっ…なんで…??と思うかもしれませんが、

切断面を垂直に切り出せていないことが多いんですね。

上のパーツよりも下のパーツが大きくなってしまうことが多い。

なので、切り出す際に、切断面ができるだけ垂直になるように気をつけて、デザインナイフを使いましょう。

小さいパーツは、切っているとずれるので、両面テープで固定します。

基本工作編10
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ワタシは、細かい部分位については、平刃を装着したデザインナイフを使います。

真上から押し切るようにすると、断面を垂直にし易いと思います。

基本工作編12

フィットするように微調整する

大事な工程が続きます。

はめ込みたい層にぴったりとフィットするように、微調整をします。

切り出したままの状態ではだいたいハマりません。

基本工作編01

これについては、コレっていうコツを挙げるのが難しいですね…

パーツに合わせてみては削って、また合わせて確認する…の繰り返しです。

でもここを雑にやると、ほぼ間違いなく失敗します。

強いて言えば、こんなところでしょうか…

①切り出し面の垂直出しは重ねて行う
②バイス(万力)を使う
③面倒だが、ちょっとずつやる

ハマるようにフチを少しづつ削ると、ハマるようになります。

基本工作編05

同じパーツを作りたいので、できる限り2枚重ねた状態で微調整した方がいいですね。

で、そん時に手で持ってヤスリがけなんかは慣れないうちはやめた方がいいですね。

同じ形状を作ろうと思ったら、面倒でもこんな感じでバイスを使いましょう。

BORDER製ユニバーサルバイス10
BORDER製ユニバーサルバイス06

手持ちでやるとだいたいブレておかしくなります。

パーツを分割する

ここまで来たら、あと少しです。

丁寧に分割して、スジボリをしていきましょう。

分割する時も要注意です。

パーツの隙間にうかつにデザインナイフを差し入れるのは超危険です。

切れ味の良いデザインナイフは、硬い接着剤部分を避けて柔らかいプラバンを切り裂きます。

基本工作編03

ここに来て、パーツを壊したり、おかしなところに切り込みが入るなんて最悪ですよ…

ここまでの苦労は一体何だったのか…と後悔は尽きません。

ワタシは、普通のデザインナイフ(直線刃)よりも平刃やパーツオープナーをおススメします。

刃を入れてひねる感じで分割できます。

基本工作編06
基本工作編04

プラバン基本工作のまとめ

「基本なんて簡単じゃん。誰でもできるよ。」

そう言って基本をおろそかにしていた私は、多くのパーツを無駄にしてきました…

一球入魂。基本を大切にして一体一体、1パーツ1パーツに真剣に加工したいものです。

プラバンの基本工作のコツをまとめてみました。

1.複層プラバンを用意する
①プラバンの艶のある面同士を貼り合わせる
②瞬間接着剤は切り出したい形状の中心にほんの少しだけ塗布する

2.マスキングテープで型を取る

①マスキングテープを破らないように、凹ませないように縁取る。
②できるだけ細い線で縁取る。
3.プラバンに貼って切り出す

①線の外側を切り出す(気持ち大きめに切り出す)
②断面は垂直を心掛ける
4.パーツにフィットするように微調整 する
①切り出し面の垂直出しは重ねて行う

②バイス(万力)を使う
③面倒だが、ちょっとずつやる
5.パーツを分割する
①パーツオープナーを使う
②切らずにひねる

次回は、プラバンを使った具体的なディテールアップの手法について説明します。

前回エポキシパテを使った裏打ちの工作を紹介しました。