後ハメ加工について全4回にわたって書いてきました。
いよいよ最終回です。
最終回の第4回めは「位置決めタイプ」について説明します。
後ハメ加工のタイプでは一番難しいヤツですね。
でも大丈夫。
第1回から第3回の応用だと思えばなんてことはありません。
位置決めタイプ
このタイプの後ハメは肩のパーツに多い気がするね。
とくにガンダム系のに多いんじゃないかな。
マークⅡとかジェガンとか。
ジム系にも多い。。
このタイプのポイントは、
「ダボやダボ穴の削る位置をよく考えること」
が重要という点。
肩パーツは、セメントで固定しないので、
常に動く状態にしておかねばならず、
動かしてもはずれにくい、丁度良いダボとダボ穴の位置
というのが重要になる。
1.クリアランスの確認
これもクリアランスの確認から。
ただ、この位置決めタイプの場合は、
後ハメに使うパーツをどの位置でハメるか。
が重要になる。
例えば、このパーツ。


単純に、ダボ穴の下部を削れば良いかというと、
そうでもない。
肩パーツは動かしたり外したりすることが前提なので、
基本的に重力方向に外れるような加工はしない。
だって真下だと、パーツが外れて落ち易いから。
なので、
削る位置は、できるだけ下方向から外して場所を決める
必要がある。
ではどうするかというと、
パーツを動かしてみて、外す方向(ダボやダボ穴の削り取る方向)を決めるわけ。

上の画像だと、左に動かすよりも右側の方に大きく動くから、
下図の破線の部分を右矢印の方にパーツが抜けるように削るのが良い。

これだと後ハメしたあとも簡単に外れたりはしないはず。
2.ダボとダボ穴の加工
次に、パーツのどのダボとダボ穴をどう削るのかを決める。
今回のパーツは、ダボもダボ穴も両方とも加工の必要がありそう。
たとえば、上記のダボ穴については、
矢印方向にはずしたいので、ダボ穴をこんな感じで削る。

なんども言うけど。
肩パーツは、セメントで固定しないので、常に動く状態にしておかねばならないのが前提。
だから、この時注意したいのが、ゆるゆるにしないこと!!
当たり前だけど、削るダボのサイズは、少しきつめが良い。
ちょっときつめにするにはこんなイメージを持っておくと良い。
ただし、きつめにし過ぎるとハメ殺しになるので要注意!!

ダボ穴の直径よりもちょっとだけ狭くすること!!
さて、次にダボの方。
この画像を見ると分かるけど、ダボ穴を削ってもパーツが入らないことが分かった。
ダボが長いんだね。

なので、ダボの方もけずる。
こんな風にマジックで削る部分を明確にしておくと、削り過ぎがなくていい。

3.後ハメして再確認!
そんじゃあ、セオリー通り、取り外しを確認しようかね。
???
って。
おいおい。
なんか余計なパーツが1個はさまってて、
このままだと後ハメできないよー!!
なんてことがよくある。

ってことで。
このパーツも後ハメにせねばなるまい。
綺麗に削ってモールドっぽくみせようかね。

すると、こんな順番でパーツが後ハメできるようになる。


4.位置決めタイプの応用編
この「位置決めタイプ」には応用編がある。
例えば、HGUCジェガンのこの肩パーツ。
これのどこが応用かというと
肩側のダボ穴と腕側のダボ穴の両方を加工して、
ある角度でしかハマらないようにしているところ。

つまり、この両パーツは、この位置でしかハメられない。
知恵の輪みたいなもんだ。


なので、このパターンは、
腕を通常の位置に戻すともうちょっとやそっとじゃ外れることはない。

後ハメ加工としてはほとんど完璧な形といってもいいと思うけど、
やはり外れるポイントの位置決めが難しい。
第4回まとめ(位置決めタイプのコツ )
位置決めタイプの多くは、
後ハメした後もパーツが動くってところが重要。
次の点には注意していこう。
(1) 重力方向に外す加工をしない。
下向きに外れるしておくと(これはケースバイケースだけど)
多くの場合、飾ってるとおちるよ。下方向からできるだけずらして外す位置を決めよう。
(2) ゆるゆるにしない。
このバランスが難しいね。
接合部の凹凸のサイズを調整して、ちょっと外し辛いくらいを目指そう。
くれぐれもハメ殺しにならないように注意して!
今回使用したガンプラとツールです。
過去の回もどうぞ参照ください。
第1回は「後ハメ加工とは」・「後ハメ加工のメリットとリスク」など。
第2回は差し込みタイプ」の後ハメ加工について説明しています。