この記事では、後ハメ加工の中でも比較的難易度の高い「分割タイプ」の作り方を紹介します。
「分割タイプ」は工作としては少し難しく、パーツを切断する際など作り手の勇気が必要な加工です。
しかし、これを覚えると飛躍的にガンプラの製作スピードが向上する可能性を秘めた後ハメ加工です。
後ハメ加工をパターンをしっかり押さえて、ガンプラ製作のスピードアップを図りましょう!
分割タイプ
「分割タイプ」の後ハメ加工は、「差し込みタイプ」の応用といえば応用です。
文字通り、パーツを分割して使用しますから、慎重にやんないと後悔しちゃいます。
基本的に、後ハメしたパーツというのは、セメントを使って固定すればいいんです。
しかし、できればパーツ自体のホールド力で形態を保持したいときにこの後ハメパターンを使う感じです。
ジオン系のキットで多い気がしますね。
いくつかポイントがあるので、一つずつ見ていきます。
クリアランスの確認
①後ハメ加工したものがしっかりとハマるかどうか
②ハメた後に他のパーツに干渉したりはしないか
この2つを最初に確認するのは「差し込みタイプ」と同じです。
これはホントに重要なポイントなんです。
今回は「HG THE ORIGIN MS-05S シャア専用ザクI」の腕をサンプルに持ってきました。
この前腕部を貫く黒いパーツを赤いバーツの中に後から差し込みたいと思います。
しかし、どう見てもハマりません!よね。
こんなとき、パーツを分割するわけです。
黒いパーツの中央にある丸い部分で分割すれば、手首側の黒パーツは先ハメに、そして、肘側の黒パーツは後ハメに出来そうです。
この黒いパーツの場合、分割した後、前腕部に入る方については、赤いパーツ越しに別の装甲を装着することになるので、先ハメしておいた方が良さそうです。
このように先ハメしたい部分と、後ハメしたい部分が1つのパーツに混在している場合には「分割タイプ」の後ハメ加工が、威力を発揮します。
どこで分割するかを決める
クリアランスを確認したら、次はそのパーツをどこで分割するかを明確にします。
この場合、パーツの丸い部分で切り離しますが、どこでも良いという訳ではありません。
手首側のパーツは先ハメなのであまり関係ないんですけど、肘側のパーツは後ハメしたときにできればセメントは使わず、パチンってはめる形で、パーツ自体の保持力を活かしたい!と思います。
なので、この丸い部分は、ハメた時に少しきつめなるように分割するのが大事です。
下図のようなイメージを持つと良いと思います。
赤二重丸のラインで切断するんですね。
ということで、こんな感じでパーツを切断すます。
うん。うまくできましたね。
手首側のパーツは先にはめてしまうけど、肘側のパーツは後ハメが可能になりましたね。
それもセメントを使わないので、塗装に与える影響も最低限で済みます。
作品のクオリティを保つためにはこうした細かいところを大事にしたいものです。
後ハメして再確認
まだまだ。ここからが大事です。
この「分割タイプ」の場合に一番気をつけたいのは、ハメ殺しにならないこと!
あたりまえですけど、ほんとにうまくはまるかどうかを確認してみます。
また、折角、後ハメのつもりで加工したのに、ハメたけど外せんっ!!なんてことになったら辛いので、ちゃんとハメて、外れるかをチェックします。
ただし、パーツが折れないように細心の注意を払って下さいね!
ワタシは後ハメの確認の時にパーツを壊してしまうことがたまにあります。。
ぐわぁーーーーーーってなってやる気を無くすので要注意です。
よしよし。今回はうまくできたみたいです。
第3回まとめ( 分割タイプのコツ )
分割タイプの多くは、とにかくパーツをぶった切ることになります。
つまり、一度ミスるともとにもどせなくなることがあるという点に注意が必要です。
ワタシは次の点に注意して挑戦しています。
(1) 先ハメと後ハメを使い分ける
なんでもかんでも後ハメにする必要はないですよね。これはケースバイケースで分割したパーツの処遇を決めましょう。
(2) 分割する位置に気を付ける
できれば後ハメの部分は、セメントを使わず、パーツ自体の保持力を活かしたい。その為にも分割位置は慎重に慎重に決めましょう。
(3) ハメ殺しにならないように気をつける
泣きますよ。ハメ殺しになったら…でもってそれを無理に外そうとしてパーツが折れたりしたら泣きっ面に蜂という悲惨な状況に陥ります。とにかく慎重さを心掛けたいものです。
次回第4回は最終回です。「位置決めタイプ」の後ハメ加工です。
因みに、今回使用したガンプラとツールです。この辺のツールは結構使えます。
過去の回もご覧くださいね。