どんなに気をつけていても起こってしまう白化現象。ゲート処理やってるとありますよね。無塗装派のモデラーにとっては最大の難敵です。
この記事では、白化のメカニズムとパーツを白化させない切断方法の5つのコツを徹底解説します。
高いニッパーを使って、ゲート処理を丁寧にやれば、それなりの仕上がりにはなります。しかし、ガンプラ一体組み上げようと思ったら必ず出ます。
どんなに気をつけていても起こってしまうのがこの白化現象。白化させないために、まずはこのメカニズムからしっかり把握していきましょう。
そもそも白化とはなにか?
そもそも白化ってなに?っていう人もいると思いますが、これです。
ゲート処理やってるとあるでしょう?凹凸があるわけじゃないんだけど、なんだかゲート跡が白っぽくなるあれです。
なんで白く見えるの?
例えば、ランナーを曲げてみるとよくわかると思います。
ランナーの外側は曲げることで、組織が左右に引き伸ばされます。この時、ランナーを構成するプラスチック素材の密度が低下している部分が白化です。
伸びたところはプラの密度が低下している状態。スカスカになっているわけです。
一方、ランナーの内側は曲げたところに向かって組織が圧縮されていくので、密度が高くなっている状態になります。内側の圧縮された部分は、他の部分より濃い色にみえます。
ということは、逆に言えば、密度が低下している部分の密度を上げてやれば、白化した部分の白い見え方が緩和されるということでもあります。
白化させない5つのコツ
白化はパーツを切り出すときに発生しますので、白化をおさえるにはまずはここで注意することが重要です。
ここからは、パーツを切り離していく際に、白化させない5つのコツについて説明していきます。
1.できるだけ細いゲートから切る
ランナーからパーツを切り離す時に、順番を意識することが大事です。やっぱり太いゲートは最後に残したいところです。
なぜかというと、細いゲートを最後に残すと、パーツの重みで切断する前に折れたりちぎれたりするからです。
折れたら間違いなくパーツに白化が発生します。なので細いゲートから切断しましょう。
パーツを切り離す時は、細いゲートから切り離し、一番太いゲートを最後に残す。これがコツその1です。
2.ゲートは2回で切る
ゲートの切断の基本は「2回切り」です。
まずは、ニッパーでもデザインナイフでもいいですが、とにかく、いきなりパーツの根元を一発で切断するのは絶対やめましょう。
3回でも4回でも細かく切ればそれだけ白化は抑えられます。1~2mmくらい残すといいと思います。
「3ミリはいるな」とか「5mmは残して!」って人もいるけど、その辺はまあ個人の好みで。
ワタシの場合はこれくらい残しで切断します。
3.刃の入れ方に注意!(ニッパーの場合)
ニッパーとデザインナイフでは、刃の入れ方が違います。まずはニッパーの場合ですが、下の画像はダメな刃の入れ方です。
両刃ニッパーの場合は、2つの面から刃が入ります。なので、ニッパーの場合は、ゲートの広い面に刃を入れるというのがコツその3です。
この方がパーツへの圧力が分散されて、白化が起きにくくなります。下図のように、長辺を挟む刃の入れ方がいいと思います。
ニッパーはもちろん切れ味のいいやつを使いたいところです。パーツの切り離しについては、薄刃ニッパー一択です。
4.刃の入れ方に注意して!(デザインナイフの場合)
一方で、デザインナイフは、ゲートの両方からいっぺんに刃を入れるわけにはいきません。従って、ニッパーとは刃を入れる面が違います。
デザインナイフの場合は、押さえつけて切断するというより、引いて切る感じなので、ゲートの短辺から刃を入れた方がゲートの付け根にかかる圧力の範囲を狭くできて、その分白化の範囲を押えられます。
因みに下図は、ダメな刃の入れ方。これだとゲートが切れる前に、根元から折れちゃいます。
そして下図が、ゲートの短辺から刃を入れる良い入れ方。
デザインナイフの場合は、ゲートの狭い面に刃を入れる、これがコツその4です。
5.ゲートを残してヤスル
これはワタシの個人的な意見ですが、とにかくゲート処理は、どんなにいいニッパーでも、ニッパーだけで処理しない方がいいです。
ちょっとだけゲートを残してデザインナイフでチビチビ削るのが一番早い方法かと思います。だけど、やっぱりこれだとゲートの根元に圧力がかかるからちょっと白いのが残っってしまいます。
なので、もういっそゲートを少し残した状態で「やすりで削る」のが一番綺麗かなと思う訳です。これくらい残して、
ヤスルと、
こうなります。
まあ綺麗ですよね。ニッパーでゲートを切り離す時に、少しだけゲートを残しておいて、ヤスリで削り取るというのが最後のコツです。
まとめ
ではこの記事のまとめ「白化させないガンプラパーツ切断のコツ5選」です。
- できるだけ細いゲートから切る
- ゲートは2回で切る
- ゲートの長辺をはさんで切る(ニッパーの場合)
- ゲートの短編から刃をいれる(デザインナイフの場合)
- ゲートを残してヤスル
とはいえとはいえ、ん?ちょっと待ってと思った方もいると思います。そう。ゲート跡の全部にヤスリがけをやんのかってことなんですが、これは確かに辛いと思います。
正直、ワタシとしては、ニッパーとデザインナイフだけで仕上げるパーツもままあります。
じゃあ、白くなったところって、もうなんともなんないのかって話なのですが、実は、解消する手段がいくつかあります。
それについてはこちらの記事で紹介しますので参照ください。
この記事で使用した実際にゲート処理で白化を低減できるおすすめツール類です。
お値段が張るものもありますが、一つ持っておくと超便利です。