この記事では、全2回にわたって「レッドポイント」とはなにか、その作り方、効果的な配置場所、貼り付け時のポイント、そのほかのコツについて説明します。
第1回では、「レッドポイントの材料のバリエーションとその作り方」、それから「レッドポイントの効果的な配置場所」について説明しました。
第2回では、「レッドポイントの貼り付け時のポイント」と「レッドポイントの補足と便利ネタ」について説明します。
貼り付け時のポイント
第1回で制作したレッドポイントは、こちらも第1回で説明した「効果的な配置場所」に貼っていけば良いのですが、まだまだ気をつけたいポイントがあります。
ここまで気をつけてレッドポイントを配置すると出来栄えがワンステップ上がるのではないかと思います。
スケール
ワタシも言うほど気をつけてやっているわけではないのですが、たとえば、1/144と1/100では機体のサイズが大きく異なります。
なので、配置するレッドポイントもサイズを変えていくと良いのではないかと思うわけです。
レッドポイントが、あくまでもセンサーや警告灯などの灯りを模していると考えれば、特にHGなどの小さいガンプラではオーバースケールなレッドポイントはちょっと不自然に感じるかもしれません。
レッドポイントの「厚み」や「長さ」はモールドに合わせて決めていけばよいと思いますが、「幅」については、ワタシ的にはこんな感覚で使いわけています。
まあカッコ良ければいいわけで、目立たせたいならちょっと大きめだっていいんですけどね。
接着剤
さて。制作したレッドポイントを位置を決めて接着するときに使用するのが「接着剤」です。
ワタシの塗装は「水性アクリル塗料」を主に使っている関係で、レッドポイントを接着する際にスチロール系のセメントを使用しません。
その代わりにタミヤの「エポキシ接着剤」を使っています。
2つを液剤を混ぜ合わせて使わないといけないので、少々面倒なのですが、下記の4つのメリットがあり、重宝しています。
ただ、「そんなのわざわざ買いたくないし」という方には木工用ボンドもおススメです。
もともとこのレッドポイントの接着には、ある凄腕モデラ―さんが推奨された「タミヤ クラフトボンド」が良いということを耳にしますが、硬化後の被膜の弾性などを除けば木工用ボンドとそれほど違いがないように思います。
そもそもレッドポイントの接着に大量に使用するものでもないのでワタシの場合は塗装面のケアだけ気にしていればよいという考えです。
木工用ボンドなら、探せば一家に一個くらいはありそうなのでコスパ抜群でしょ。
貼り方は簡単です。まずは、つまようじで貼りつけたい位置に少量の接着剤を塗布します。
はみ出した余分な接着剤は美観を損なうので、ごく少量を塗布するということに気をつけたいところです。
そうしたら次は、精密ピンセットでレッドポイントをつまみ、塗布した接着剤の上にそっとおき、精密ピンセットで位置を整えてから、少しだけ圧をかけます。
狭い場所なので、セメントとレッドポイントを重ねたつもりでも両者が接触していないということが良くあります。
しっかり押さえるのはポロり防止のコツですね。ピンセットは安いものでよいので、精度の高いものを1本持っておくと便利です。
補足と便利ネタ
以上までのところに気をつけておけば、誰でもレッドポイントをうまく貼れるようになるのかなと思います。
ただ、書き切れていない「便利ネタ」とか「注意事項」とか思うところがいろいろあるので、参考までに記述しておきます。
貼るタイミング
レッドポイントを「いつ貼るか」という点も少し考えておきたいところです。
結論的には、レッドポイントを本体に貼るのは塗装して、なお且つスミ入れした後、コーティング剤(トップコートなど)を吹く前がいいのかなと思います。
スミ入れ前に接着した方がしっかりと固定されるような気がするので、ひょっとするとそうしている方もいるかもです。
しかし、溝状のモールドにレッドポイントを入れる場合、毛細管現象で入れたスミがレッドチップの側面を覆い見づらくしてしまうことがあり、ワタシとしてはなんとなくいやだなと感じています。
つや消しコーティングをして、クリアな状態のレッドポイントが曇るのが嫌だから「コーティングした後に貼るんだ!」という方もいるかもしれません。
ワタシとしては、レッドポイントはわざわざサフを吹いてから塗装するわけではない為、塗料が剥離しやすいという恐怖感があり、コーティングの直前に貼ることにしています。
この辺りは制作者の好みの問題だと思いますが。
カラーバリエーション
「レッドポイント」というくらいですから赤色が多いのかもしれませんが、センサーライトといえばグリーンだし、イエローやブルーもあり得ると思います。
メタリックグリーンのヤツを貼ってみるとこんな感じ。
あるいは、ホログラムシールのような虹色などもありかと思いますね。
「水性の魔女」シリーズではホログラムが多用されています。これは少し長めのポイントとして貼るととてもカッコ良くなるんじゃないかと思います。
チップの形状
チップの形状も直方体にこだわる必要はないと思います。ワタシの場合は、直径1ミリのプラ棒を短く切って、円筒状のチップを使ったり増します。
また、小さめのボルトパーツを赤く塗って使用することもあります。
WAVEのO-ボルトなんかを良く使っています。機体の色調が単調かなと思うときにはこうしたチップをアクセントとして配置すると結構いい感じになります。
ストック
私の場合は、とにかく塗装が面倒なので、一度に多品種を大量に制作してストックしています。
こうしておけば使い勝手も良いし、レッドポイントはとにかく手軽で効果が高いディテールアップなので、これが一番です。
簡単で誰にでもできるので、おススメします。わざわざ色分けして分別しておく必要もないくらいで、塗料の空き瓶にまとめて突っ込んでおいても大丈夫でしょう。
使うときに必要な色を必要な数だけピンセットでつまめばいいだけです。
画像の中に、プラ板の細かく切る前の長いものが映っていますが、これは後塗り用として使ってるものです。後切りすると横面が白くなるので、その部分だけ後塗りします。
いっそまったく塗装していない白いプラチップを貼ってから塗装しても良いと思います。
実はもともとワタシは後塗り派で、前述のように「準備しておくことすら面倒」だったため、この白い状態のレッドポイントを塗装面に貼り、後から「エナメル塗料」で塗装していました笑
これがほんとに楽なんです。面相筆とエナメル塗料さえあれば簡単に時短できます。そうだこれが一番楽だわ!
ただし、塗料は「エナメル」一択です。エナメル塗料であれば、水性アクリル塗料の上に塗った後、はみ出しをふき取ることが可能です。
塗料同士の塗り重ねの関係はこちらの記事を参照ください。因みにふき取り用のエナメル溶剤は、ガイアノーツが一番コスパがいいと思います。
絶対にやめた方が良いこと
レッドポイントの接着については前項でふれましたが、スチロール系の流し込みセメントだけはやめた方が良いと思います。
上手にやればいいという記事も目にしますが、水性のアクリル塗料との相性は最悪です。特に流し込み系はスッと入っていくので、毛細管現象の恐ろしさをまざまざと見せつけられ、苦汁をなめました。ワタシはめんどくさがりなので、何度も苦汁をなめています。
第2回のまとめ
ここまで記述したことをさらっておくと誰にでも簡単にレッドポイントを使ったディテールアップができると思います。そもそもそんな難しいもんでもないしね。
第2回のまとめです。