ゲート処理・ヒケ処理・肉抜き穴・パーティングラインという言葉を知っていますか?
この記事では、知っているようで意外と知らないガンプラを製作する上で知っておいきたい専門用語について解説しました。初心者の方必見です。
ガンプラ製作をする上で、製品の出来栄えを向上させるために行う処理は数え上げればきりががありませんが、基本の表面処理をしっかり理解することで、ガンプラ製作の質も向上します。
そして、それぞれの処理も「どこまでやるのか」という部分は、製作者自身のこだわりであり、100人いれば100通りのやりようがあるというものです。
そこで、この記事では、とりあえずガンプラの表面を美しく見せる4つの表面処理に絞って説明します。
この記事では、あくまでもわかりやすく用語をまとめた説明ですので、具体的な手法については、合わせて他の記事もご覧下さい。
四大表面処理
ガンプラ制作する上で、基本になる表面処理は次の4つです。
「5、いや6だろ!」、「何言ってんの。10はあるよ!」などという声も聞こえてきそうですが、私はまずはこの4つが基本かなと考えています。
ただ、必ずしも全部やらないといけないというものでもありません。
全部やるか、あるいはどこまでやるかについては、こだわりや時間的な余裕に鑑みて、自分が納得できるところまでやれば良いというものです。
とりあえず、私が個人的にやっておいたほうがいいなと思う順番で書きます。
1.ゲート処理
まずは、基本中の基本「ゲート処理」。
ゲート処理とは、プラモデルのパーツとランナーを繋いでいる「ゲート」と呼ばれる部分をニッパーなどで切り離したときにできるゲート跡を綺麗に目立たなくする処理のことです。
左が処理前のゲート跡の画像で、右が処理後の綺麗になった画像です。
ゲート跡は全てのパーツに生じますので、パーツ数が多い機体などに挑戦するとこのゲート処理だけで嫌になってしまうというくらい、もっともメジャーな表面処理です。
切れ味の良い「薄刃」ニッパーやデザインナイフ、やすりを使って処理するのが一般的です。
ゲート跡は、白化と呼ばれるプラスチック特有の現象が関係しています。
先述のように、ゲート跡はその個数が多い分、塗装を行わずにパチ組を完成品として飾りたい人にとっては、美観を損なう非常にやっかいな跡です。
ゲートやゲート処理については、下記の「合わせて読みたい」でも説明しています。
2.パーティングライン消し
多くのプラモデルは、溶けた樹脂を雄と雌の金型を併せたものに流し込んで生成するインジェクション成型(樹脂射出形成)という方法で製造されています。
溶けた樹脂は金型に彫られたランナーの中を流れ、ゲートを通ってパーツに充填されます。
冷却期間を置いて、冷めた金型を雄雌に切り離してから、取り出すとプラモデルの完成となりますが、この雄雌の金型の合わせ目に残る金型の接合跡をパーティングラインと言います。
パーティングライン消しとは、この跡を消す作業になります。パーツのあちこちに入っていてくらくらする時があります。
綺麗にする場合は、デザインナイフやヤスリを使って削り、目立たなくします。
本来プラモデルの造形としてないものが跡として残っているので、面倒ですが、これは削ったりして消した方が美しく見えます。
パーティングラインは、ゲート跡とは違って、直線状に長く跡が残り、曲線やへこんだ部分、細かい部分などかなり削り辛い部分にも入り込んでいるケースがあり、ゲート処理よりも手間がかかることが多い処理です。
3.ヒケ処理
パーツを製造する時に、プラスチックの性質上、熱した樹脂が冷えて固まると、収縮によって成型不良が生じます。
この成型不良のことをヒケと呼んでいます。パーティングラインと同様に、インジェクション成型(樹脂射出形成)などの金型を用いて作られた合成樹脂製品に顕著に見られる現象です。
成型不良は、凹みなどの症状が一般的です。
このヒケと呼ばれる成型不良を整形することをヒケ処理と呼んでいます。
細かいヒケは目立たないので、処理せずに進めても良いのですが、やすりなどでこすると、やすりがかかる部分とやすりがかからない部分が明確に分かるようになります。
このやすりがかからない部分がへこんでいる部分でヒケということになります。
ヒケは、一般的に、凹んだ部分をパテなどで埋めるか、凹みがなくなり平坦になるまで削るかのどちらかの方法で処理します。
4.肉抜き穴埋め
「肉抜き穴」というのはパーツの裏側なんかにある穴や凹みのことです。
パーツを製造する時に、プラスチックの性質上、熱した樹脂が冷えて固まると、収縮によってヒケという成型不良が生じます。
ヒケは目立たないものがほとんどですが、多くのパーツで大なり小なり発生しています。特に肉厚で大きなパーツには顕著にみられます。
そこで、このヒケによりパーツの形状が不安定になるのを防ぐために、特に分厚いパーツを作るときは、厚みを薄くするために、パーツの裏側などの目立たたない部分に意図的に穴をあけたり凹ませたりするのです。これが肉抜き穴です。
この肉抜き穴は、足の裏のパーツや関節、バックパック周辺に多くあけられています。
この肉抜き穴ですが、きちんと埋めてあげると安っぽさがなくなって、出来栄えも変わってきます。
とくにモデラ―さんたちはこういうところをしっかりとみているので、細かいけど大事な部分かと思います。もちろんやらない人もいます。
この肉抜き穴は、通常はパテやプラ板を使って埋めたり、見えなくしたりします。
いずれの場合も、処理をすると成型色とは異なる素材で埋めるので目立ってしましますから、塗装が必要になることが多いです。
という訳で、無塗装で完成させたい人にとっては、処理しなくても良い作業かもしれません。
まとめ
私が個人的に表面処理の基本だと考えている処理を4つ紹介しました。
これ以外にも「エッジだし」や「筋彫り」、「モールドの追加」、「モールドの彫り直し」、「ダボ穴の処理」、「合わせ目けし」など数え上げたら両手ではおさまりません(汗)
あれもこれもとやらなければいけないことが増えていくのがガンプラです。
ただ、最初から、あれやこれやと考え出すと気が重くなってしまうので、まずはここまで!と決めて処理を進めていくのが良いと思います。
嫌になったらガンプラじゃないので。
これらの処理については、別項目で記事していますので、そちらも参照ください。