ガンプラ製作において絶対に知っておくべき3種類のセメントを知っていますか?
この記事では、ワンランク上のガンプラ製作に欠かせない接着剤について紹介します。
リモネン系・エポキシ系・黒い瞬間接着剤の性能と使い方を理解して、レベルアップを目指しましょう。
以前の記事で、基本の3種(スチロール樹脂用セメント・ABS樹脂系セメント・瞬間接着剤)を知っていればだいたい問題ないと書きました。
ワンランク上のディテールアップを極めるセメント3選
では早速、エポキシ系・黒い瞬間接着剤・リモネン系セメントについて説明していきます。
エポキシ系接着剤
スチロール系の接着剤は塗装した後に使うと塗装を溶かしてしまうというデメリットがあります。
ですから、小物パーツや透明パーツを塗装後に取り付ける場合は、スチロール系接着剤を使ってはイケマセン。
ちょっとでもはみ出すと非常に汚くなってしまい、リカバリー不可能な状態に陥ることもあります。
瞬間接着剤も、塗布部分の周りが白くなってしまう時があるので、塗装後にはできるだけ使いたくない接着剤です。やめといた方が良いと思います。
そんなときに活躍するのが、エポキシ系接着剤です。エポキシ系接着剤は、基本的にプラスチックや塗装面を溶かしません。
そして固まっても瞬間接着剤のように塗布部分の周りが白くなったりせず透明なので目立ちません。
さらに、エポキシポ系接着剤は、はみ出した箇所を固まる前ならエナメル溶剤で落とすことができます。
墨入れした後にエナメル溶剤ではみ出し部分をきれいにするあの要領です。綿棒で拭き取れるので、綺麗にリカバリーもできますよ。
ということで、透明パーツや塗装後の小物パーツはエポキシ系を使うと美しく仕上げることが出来ます。
上は、タミヤ エポキシ接着剤 5分硬化タイプです。2液混合型エポキシ接着剤です。Amazonで今すぐチェック
WAVE 黒い瞬間接着剤
次に、WAVE黒い瞬間接着剤(高粘度タイプ)です。
これ、最初どこで使うの?って感じだったんですけど、塗装派の方にとっては使い易い接着剤です。
というのも、黒い色がついているので、どこに入り込んでいるのか、どこを接着しているのかがよく分かります。この視認性が素晴らしいですね。
接着もそうですが、ヒケ処理や傷埋めに、パテ替わりとして使うともっと分かり易いです。高粘度なので、パーツへの食いつきも抜群です。
因みに、硬化スプレー使わないと、ちっとも固まりません。高粘度だからでしょうか?
なので、黒い瞬間接着剤は硬化スプレーと一緒に使うことをおすすします。硬化スプレーを併用することで、ものすごく時短になり、作業が楽になります。
因みに、この「黒い瞬間接着剤」は、というか瞬間接着剤系は、逆さまにして保管しています。
(刷毛タイプは逆さまにしません。)
普通に立てておくと、出口付近に空気がたまることになり、硬化が始まって固まってしまいますので、常に出し口あたりに接着剤をためておく意味で逆さまに保管しています。
ただ、その後の切削のことだけ考えると「タミヤ瞬間接着剤イージーサンディング」の方が削り易いです。黒い瞬着は乾くと非常に固くで削りにくいという点もあります。
リモネン系接着剤
接着剤の匂いが苦手という方は意外と多いんじゃないでしょうか?そんな方向けのセメントがあります。それがリモネン系接着剤です。
なんと、柑橘系の香りで、刺激臭を抑えた商品なんです。
これはオレンジの皮から抽出した天然素材「D-リモネン」を主成分としたスチロール樹脂用接着剤で、写真のモノは流し込みタイプではなく、一般タイプになります。
パーツに塗布して、パーツを溶かして、接着するタイプです。効能は普通のスチロール系接着剤全く変わりません…。
なので、セメントの臭いが苦手な方、奥さんから「臭い!」って言われて困っている方にうってつけです。
ただ、いい匂い!違いは香りだけなんです!ワタシも匂いを嗅ぐためだけに買いました。これを考えた人天才です。
てゆうか、瓶も可愛いしね。
スチロール系セメントの豆知識
基本のスチロール樹脂用接着剤についての豆知識です。
とにかくスチロール樹脂用接着剤って一番使いますから、いろいろと知っておくと良いことをまとめました。
流し込みタイプの塗布方法について
流し込みタイプのスチロール系接着剤の使い方です。
この流し込みタイプは毛細管現象を利用して、接着剤をパーツの隙間に浸透させていきますので、次の2点がコツです。
1.パーツとパーツの間にちょうどよい隙間を作っておく
2.一度に全部流し込まず、位置を変えながら何度かに分けて流し込む
因みに、ワタシはこんな感じでポストイットを活用しています。いつも使う訳じゃないけど、ここって時には挟みます。失敗したくないし。
紙一枚分くらいが絶妙の隙間です。すすーっとセメントが流れ込んでいきます。
廃棄ランナーを溶かしてカラーパテに!
カラーパテを作りましょう。作り方は簡単です。
1.廃棄ランナーを、細かく切断
2.刻んだランナーとスチロール系セメントを瓶に入れる
3.一晩寝貸す ⇒ 完成!!
ガンプラと同色の接着剤になったり、簡易パテとして利用できます。
実際のところ、これもいつも使うってわけではないけど、あると使えます。こうして作るカラーパテは、粘着性が高いので、利用にはコツがいります。
プラ素材は溶かすとその組成が変わるのか、乾燥した後は切削し易いような気がします。
ただ、気泡に注意が必要です。
溶剤として使うセメント(接着剤)に、プラ材を溶かす効果があることを利用した手法ですが、パーツを溶かしますので、パテとして大量に盛ると、盛られたパーツの方が溶けたり、ふにゃふにゃになるので、こちらも注意が必要です。
パテを盛った後、乾いたかなーと思って、補修カ所をみたらぐにゃってたなんてことになります。
なので、ちょっとした傷埋めなどに使うくらいが良いと思います。
スチロール系セメントが固くなってきたら薄める?
スチロール系のセメントがドロドロになってきたら、「ツールクリーナーとかラッカーシンナーで、薄めると使い易くなる」的な記事を見かけますが…
これは止めた方がいいかと思います。
やはり接着力が落ちます。確かに一見サラサラになって「復活したじゃん!!」みたいに見えますけど。
なんか化学反応おきてますから。一度やってみると分かると思います。
値段も高くないので、シンナーなどの溶剤を買い増すくらいならセメントの方を買い直した方がお得だと気付くはずです。
まとめ
接着剤って奥が深いですね。もっといろいろな使い方ができるような気がします。では、この記事のまとめです。
1.スチロール系接着剤
(1)リモネン系 ⇒ 香りが良い!それだけ!
(2)流し込みタイプの接着方法 ⇒ ポストイットはさんで隙間を作ろう!
(3)スチロール系の特色を生かして ⇒ 刻みランナーでカラーパテを作ろう!
(4)ドロドロになってきたら薄めるのってあり? ⇒ なし!やめとこう!
2.エポキシ系接着剤
⇒ 塗装した後ならこれ一択!塗装を溶かさない。白くならない。
3.黒い瞬間接着剤
⇒ ヒケ処理に大活躍!高価スプレーと一緒に使おう!