ガンプラ洗脳計画003 嫁とペット

嫁とガンプラ03サムネ 嫁vsガンプラ

まずいことになった。

ペット…だと?

趣味のない嫁との夫婦生活をより円満にするために、私の趣味であるガンプラへ誘導しようと画策し始めたその矢先。

「うちも文鳥を飼うことにするわ」

宣言をするように嫁が言い放った。

いや文鳥て…。

ガンプラ啓発03嫁とペット01

言い出したら聞かないことなど分かってはいるが、今回だけはこちらも簡単に折れるわけにはいかない。

百歩譲ってガンプラでなくてもいいがペットだけはいかん。

あれは世話が必要だからこちらにも確実に影響が出る。

確実にだ。

たしかにこれまでもペットへの熱い想いを語るときが彼女にはあった。

嫁の実家は、彼女が幼少の頃から様々なペットを飼っていたそうだ。

猫やうさぎに始まり、文鳥やインコ、リスやハムスターなど。

リス?

リスってお店で買えるんだ…

そういえばモルモットとハムスターが異なる種族であることを教えてくれたのも彼女だった。

私にはいまだに見分けがつかない。

とにかく、いろいろなペットを経験したらしい。
(正直この段階で私には思うところがある。)

そんなわけで、ペット番組を見たり、ご近所や私の実家のペットに触れた時など定期的にペット熱を再燃させていた。

ペット熱が再燃するとその気持ちを鎮めるために東山動物園のシャバーニ(ゴリラ)やアドベンチャーワールドの彩浜(パンダ) に会いに行くことになる。

ワタシはいつも運転手役として同行を命じられるので少々迷惑だ。

因みに、ワタシは何度見ても彩浜と他のパンダの見分けがつかない。

ペット熱に火がつくと

やっぱりペットは必要ねとか

生活に潤いを与えるのはペットよねなどと言い出して非常に困る。

いつもやっかいだと感じていたが、しかし、今回はかなり熱い。

ビックファイヤーの予感だ…

彼女のハートに火をつけたのは、YouTubeの文鳥動画だった。

雪見だいふくのようにまるくてもふもふな文鳥がまったりしている。

ただそれだけのだけの動画。

彼女はこれにハートをわしづかみにされたらしい。

なぜ?

まるで理解できん…

彼女とは分かり合えんのか…

誤解を恐れずに言うならば、私はペットが嫌いだ。

まず第一に、家に臭いがつく。

そんなことないよーなどという方もいるとは思うが、ペットを飼うお宅にお邪魔するとやはり分かるものだ。

くさいということでなくても、人ではないものが同居していることが私には分かる。

家財道具が汚れたりするという点も気にはなる。

ペットを部屋の中で放し飼えば、かならずどこかに傷やら汚れはつく。

嫁の実家では、猫の爪を除去していたようだが…

それはエゴだよ…

ちょっと深爪するだけでもしばらく憂鬱な気持ちになるというのに、猫の爪を剥ぐなど正気の沙汰ではない。

決定的な理由がもうひとつ。

多くの場合、ペットは飼い主よりも逝くのが早いということだ。

私も幼少の頃、犬を飼ったことがある。

エルという名の雑種の白犬だったが、彼から得たものは多い。

多感な時期、彼と一緒にいることで癒されたことを今も忘れてはいない。

だから、私のペットは彼が最初で最後だ。

飼っていたペットが死ぬのは非常に悲しい事だ。

あの絶望的な気分をまた味わうことになるかもしれないと思うと憂鬱な気持ちになる。

しかし、ペット好きの多くは、しばらくするとまた新しいペットを購入するという。

そうゆうとこだぞ!

別のペットが新しく家族に加わるという点が私にはどうしてもなじめない。

うちの嫁はきっと私が死んでもかなり早い段階で再婚するに違いない!

だから、冒頭の「うちも文鳥を飼うことにするわ」には、全面的に反対した。

こういう問題は遠回しに反対してはいけない。

論拠と共に明確な反対の意思を示そう。

ところが。

文鳥にはいぬやねこほど臭いはないわ。
スペースも取らないし、家具を傷つけることもないわよ。
えさ代だってしれているじゃない。
たしかに寿命は短いけど、そうした経験を通して子供たちに命の大切を知ってもらいたいの。
私が一所懸命に面倒をみるからねえお願い。
あなたがガンダムに熱中しているとき…

ワタシハサミシイキモチニナルコトガアルノヨ。

あぶない。あぶない。

情に訴えてくるとは…

あやうく流されるところだった。

今回は彼女も最初から全開だ。

気をつけねばなるまい。

そういうことなら、こちらも最初から飛ばしていこう。

あまり言いたくはなかったが…

ここは彼女のペットに関するリテラシーの問題を指摘せねばなるまい。

君のハムスターは、共食いしたよね。ちゃんと餌あげてた?
君の猫は、よく家から脱走したよね。車にひかれて死んだんじゃなかったけ?
君の文鳥は、野良猫に殺られたよね。どこにケージつるしてた?
そんなことある?ってのが多すぎじゃないかな。
ペットを飼うということは、きれいごとではないよね。
お願いだから考え直してほしい。

そう訴えた。

しかし。

あなたはいつもそう。
最初から話し合いの余地なんてないじゃない。
私の逃げ道を全部失くして。
私の淋しい気持ちはいつになったら埋まるの?
ガンプラなんてやめてもっと私の話をきいてよ。
人は愛情を傾けるところがないと生きられないのよ。

いつになく鬼気迫る展開。

あらかじめ用意されていたかのような受け回し。

くそっ

ガンプラはやめられんっ!

おれが負けるのか!

と いうことで、押し切られた。

なぜか今回は妙に迫力があった。

そしていつの間にやらウチに白い文鳥がやってきた。

名前は大福。

彼女なのか彼なのかは分からない。

私はまだヤツとの距離を置いている。

可愛い顔と声ですり寄ってくるが、こちらから媚びて行くことはない。

ん?

何かおかしくないか…

ガンプラ啓発03嫁とペット02

彼女にガンプラの良さを伝えていこう。そう思っていた時に、もしも、彼女が同じことを考えていたとしたら…

そうだわ。
旦那に文鳥を飼わせよう。
あのもふもふを知ってしまえば、あの人も虜になるにちがいないわ。
夫婦で共通の趣味が出来ればもっとたのしいじゃない。
私の趣味(文鳥)に彼が寄ってくるなら言うことないわね。

夫婦の思考は似てくるという。

なんと…。
おそろしいヤツ。
策士かっ…

引きずられてたまるもんか!

断固戦おう!

いざとなったら、大福と俺のザクを戦わせてやる。

こっちもガンプラがんがん推していこう!

https://plafreak.com/wife/02_johnnys/