ランナー・ゲート・ヒケという言葉の意味をちゃんと知っていますか?
この記事では、知っているようで意外と知らないガンプラを製作する上で知っておいきたい専門用語について解説しました。初心者の方必見です。
とりあえず、この記事で説明するのは基本中の基本の用語です。
ランナーとゲートの説明
ランナーとはパーツとパーツをつないでいるプラスチックの枠です。
プラモデルのパーツは雄と雌の金型を使い、間に樹脂(プラスチック)を流し込んで(射出形成と言います)、製造します。金型にはいくつかのパーツがまとめられています。
この金型にプラスチックを流し込み、あるパーツ部分に充填されると、プラスチックがあふれて次のパーツ部分の方に流れていきます。この時に形成されるパーツをつなぐ枠がランナーです。
そして、このランナーの中で、特にパーツをつなぐ部分をゲートと言いますです。パーツの方部分に溶けたプラスチックが流れ込む「入口」という意味ですね。
このゲートは、切り取った時に切断面が小さくなるように、通常ランナーよりも細くなっています。
昔はくるくる回してちぎったり、爪切りつかって切り離していましたけど(笑)このゲートからパーツをうまく切り離すだけで、作品の仕上がりが違ってきますので、重要な部位です。
さて、ランナーにはランナータグとナンバータグもついています。この組み合わせで、どのパーツがどこにあるかを示すわけですね。
説明書では、「ランナー名+パーツ番号」で部品を指定しています。(B-28)みたいな感じです。
専用ニッパーの選び方・使い方はこちらを参照下さい。
ゲートの3つの種類
ゲートには3つ種類があります。
先述のように、このゲートからの切り離しを如何にうまく行うかというのが、特に無塗装派の方々には重要なポイントになります。
通常のゲート
もっともポピュラーなゲートです。ほとんどのガンプラは、この通常ゲートが採用されています。
このゲートがほとんど全てのパーツについていますので、パーツの表面(組み立てた時に見える部分)に雑な切断面(ゲート跡)が残っていると組み立てた完成品の美観を大きく損ないます!
このゲート跡を如何にうまく処理して目立たなくさせるかが、ガンプラ製作の最初のポイントになります。
アンダーゲート
ゲートがパーツの裏側に接続していて、組み立てた時にゲートの切断面が表面に出ないような設計でつくられているのが「アンダーゲート」です。
アンダーゲートの切り離し面は、パーツ同士が重なったり、接着する面になるようにできているので、後で説明する「ゲート処理」もそれほど念入りに行う必要はありません。
本当にらくちんなゲートで、全てのガンプラに採用してもらいたいところですが、実際にアンダーゲートが採用されているのは、MGやRGの一部です。
メッキ加工されていて、ゲート跡が極端に目立ってしまう機体にも採用されています。
全てのガンプラに採用されていない理由は、アンダーゲートは、ゲート跡がパーツ同士の接着面に残るので、切り口にゲートが残っていると、精密に設計されているパーツ同士がうまくはまらないということがおきてしまう為です。
子供から大人まで広く楽しめるガンプラは、ゲート処理などしなくても組み立てらえることが重要視されているので、アンダーゲートはなかなか採用されず、通常ゲートが多くなっています。
タッチゲート
ニッパーなどの工具を使わなくても手でもぎりとることができるのがタッチゲートです。
ゲートとパーツをつなぐ部分が非常に細くなっているのが特徴です。
専門的な工具など使わずに、できるだけ手軽にガンプラを楽しんでもらいたい!という制作側の熱い想いが伝わってくるゲートです!
そんな想いとは裏腹に、モデラーの方の中には、
「もぐとゲート跡がえぐれてしまうから、意外とゲート処理が面倒なんだよね…」
「箱出しの段階でゲートがもげちゃってるじゃねーか…(泣)」
などの意見もあるようです。
パーティングラインとバリの説明
このほかにも知っておいた方が良い用語としてパーティングラインとバリというものがあります。
いずれもパーツを製造する過程で、同じ原理で発生する形成不良の一種です。
パーティングライン
射出成形したプラパーツを金型から取り出す際には、金型を2つとか3つに分割してはずします。
この金型の分割されるラインのことを、「パーティングライン」といいます。つまり、パーティングラインとは、型と型の接合面にできる跡のことです。
金型から取り出されたパーツには、ほとんど見えないものから、上図のようにくっきりと目に見えるものまでありますが、パーティングラインが残っています。
バリ
バリというのは、パーティングラインの極端な奴です。金型は何度も使用しますと疲労して摩耗します。
この摩耗してできた金型の接合面の隙間に樹脂が流れ込むと「バリ」が生成されてしまうのです。
ちなみに、これを見るとイメージし易いと思います。羽付きたい焼きごぞんじですか?
基本的には羽付きたい焼きと同じ原理です。
しかし、最近のキットではまったく見かけません。プラ成型の技術が進歩していて、形成不良も少なくなっているということだと思います。
ヒケの説明
ヒケとは、パーツの表面にできるへこみのことです。
射出成形では、樹脂(プラスチック)を金型に流し込んで製造しますが、冷えて取り出さすとき、流し込んだ状態と較べて多かれ少なかれ収縮します。
樹脂の種類によって程度差は有るものの冷えると収縮するんですね。
そのため、出来上がった製品は金型そのままの形状とはならず、ほんの少しだけへこんだりするわけです。
この収縮による形成不良が「ヒケ」と呼ばれています。目立たない部分でも、やすりで削ってみるとヒケている状態がよくわかります。
あまり気にならないという方も多いと思います。実は私もその一人です。ですが、このひけを解消していくと出来栄えが変わってきます。
その存在を知ってしまうと、気にならずにはいられないのがヒケなのです。
ほんのちょっとのことですが、ほんのちょっとのことですが、処理をしておくと作品の出来栄えに自信がもてますよ!
まとめ
ガンプラのパーツは、ランナーにゲートで繋がっています。このゲートの種類は主に3つあります。
1.通常ゲート
2.アンダーゲート
3.タッチゲート
この内、もっとも多く採用されているのが通常ゲートです。パーティングラインやひけは、パーツを製造する工程で発生する形成不良ことです。
ここで説明したのこの3つの成型不良をうまく処理(消す)することで、完成品の出来栄えが大きく変わってきます。この3つが一つ上のランクを目指す上での重要なポイントです。
- ゲートの処理
- パーティングラインの処理
- ひけの処理
専用ニッパーの選び方・使い方はこちらを参照下さい。