【ガンプラ】超おすすめクレオス水性サーフェイサーを徹底レビュー

サフ01_サムネ 水性サーフェイサー

サーフェイサーってシンナー臭くて自宅じゃできない!頭痛くなる!そんな悩みを抱えていませんか?

この記事では、臭いやサフの性能の問題を解決してくれる水性サーフェイサーについて解説します。

これを使えば、ガンプラ塗装の新しい境地が開けます。

超おすすめクレオス水性サーフェイサーを徹底レビュー

発売からかれこれ3年は経過しているので水性サーフェイサーもかなり定着してきているのかなと思います。

水性ホビーカラーはその弱点を克服すべく新色が着々と発売されつつありますし、改めてクレオスの水性サーフェイサーも注目されてくるのではないかと思います。

ということで今回改めてレビューしていきます。

1.ラインナップ

2022年の「水性サーフェイサー」リニューアル版の登場は革新的でした。

なにしろ、下地塗装派にとっては、ラッカー系サーフェイサーしか選択肢がなく、臭いとスプレー缶での下地塗装に我慢しながらの作業でしたから。

そんな折、2024年現在発売されたのがこちらの4種です。

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これだけあればすべて事足ります。水性塗装派にとっては感動のラインナップですよね。

500番で捨てサフを行い、研ぎ出しを行ってからの、お好きなカラーの1000番サフでフィニッシュといった使い方が定番になりそうです。

2.臭い

まずは、ラッカー系との大きな違いである「臭い」からレビューしてみます。

嗅いでみると水性ホビーカラーと同じ匂いだということに気付きますす。というか専用うすめ液とも一緒ですね。

因みに、ガイアノーツから出ているアクリル溶剤とも一緒です。アルコールの臭いと、なんというかグリセリン特有の少し甘いようなにおいが混じった感じです。

といっても、ラッカー系とは比較にならないほど臭いが低く抑えられています。室内で使用しても少し窓を開けたり、塗装ブースのファンを回せば全く問題ないレベルです。

我が家では、ラッカー臭が嫌われていることと、ワタシ自身すぐに頭痛がしてきてしまう体質なので、これが一番助かります。

3.上塗り対応

サーフェイサーですから、その上には塗料を乗せるわけですが、水性サフとラッカー系サフの上塗り塗料の対応を表にしました。

上塗り対応表水性アクリル塗料ラッカー系塗料エナメル塗料
水性サフ
ラッカー系サフ
サーフェイサーの上塗り対応表

基本的には、水性のサーフェイサーの上には水性塗料を乗せるのがベストです。

ただ、エナメル塗料やラッカー系塗料も乗せることは可能です。エナメル塗料については、ワタシの個人的な感覚ではほぼ問題ないレベルです。はみ出しを溶剤で拭き取る時にゴシゴシやると汚れが出たりしますが。

ラッカー系塗料についても、クレオスの水性サーフェイサーの上に乗せても(やりようによっては)大丈夫との見解が公式から出ています。これは驚きですね。

ほんとに意外です。絶対にやっちゃいけないと思い込んでましたからやったことはありませんが、できるんですね。

これも水性サフの進化を示す一端でしょう。

4.希釈割合

サフの希釈は、こちらもクレオス公式から「専用薄め液とサフは1:1の割合で」とありますので、基本は1:1です。

ただし、エアブラシの口径によってサーフェイサーと希釈溶剤の配合比率を変えた方が良い場合があります。一般的に、口径の大きなエアブラシではより粘度の高いサフでも対応できますし、逆に、口径の小さなエアブラシではより希釈されたサフが適しています。

一般的なエアブラシの口径は0.3ミリなので、これを基準に手持ちのエアブラシの口径を確認しながら希釈することをおすすめします。

希釈するときは別の空き瓶に1:1の目印をつけて保管しておくと便利です。

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5.専用うすめ液

クレオスの公式から、「水または水性ホビーカラー専用うすめ液(使用推奨)で希釈してご利用ください。」と出ています。

なので、「水」でも可能は可能とのことですが、、、

実際問題として、乾きが異常に遅くなるのと、パーツに塗布した時にはじかれる感じが出ます。

水で希釈したサフと溶剤で希釈したサフを、スプーンに塗布してみます。

また、スプーンは比較のためにそれぞれ足付けしたものと足付けしていないものを用意しました。因みに、足付けには600番のスポンジヤスリを使っており、

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水は精製水を使っています。

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まずは、水で希釈した水性サフです。

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おぉぉ、、、、、これはひどいですね。。かなりはじかれてしまっているのが分かると思います。

次に専用のアクリル溶剤で希釈したサフを吹いてみます。

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結果は明らか過ぎるくらい分かり易いですね。精製水で希釈した方は、足付けしてあってもなくてもひどい状態ですが、(もちろん私のスキルの問題もあるとは思いますが、、)

一方、専用のアクリル溶剤で希釈したサフは、足付けしてあってもなくても均一に塗布できています。

水で希釈しても吹ける人は相当な上級者だけでしょう。このはじかれる感じは、エアブラシで塗布した場合に顕著に出る気がします。

これだけ違いが出るわけですから、はっきり言って希釈にはアクリル溶剤を使うのが正解です。少なくとも初めて挑戦する方は、アクリル溶剤も買って下さい。。

因みに、希釈溶剤は、クレオスから出ている専用うすめ液以外でなくても、例えばガイアノーツのアクリル溶剤でもタミヤのものでも全く問題ありません。

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6.隠蔽力

次に隠蔽力の検証です。

そもそもサーフェーサーとは隠蔽力の低い塗料を使用する際に、整形色の影響を受けないように均一なベースを作ることを目的としていますので、プラパーツの成型色を目立たせなくする隠蔽力があるのが前提です。

クレオスからはホワイト、グレー、ブラックの3種類が発売されていますので、実際に、赤色に塗装したスプーンにそれぞれサフ吹きして、比較してみます。

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まずはホワイトサフからです。

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ホワイトサフではさすがに下地の赤色を完全に消すことは難しいですね。境目がくっきりと見ています。光にかざすと隠せていないのがさらに良く分かります。

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もっと厚塗りすれば消えるかもですが、あまり厚くするとモールドが消えてしまったり、もっさりとした野暮ったい感じが出てしまします。

これぐらいのサフの塗布量で下地が消えないということは、やはりホワイトサフの隠蔽力は低めと見るのが適当かと思います。

しかし、ホワイトサフには、白、黄色などの隠ぺい力の低い塗料を簡単に塗ることができたり、赤、青、など明るい色をきれいに発色させることができます。なので、あえてホワイトサフを使いたい時などは、慎重に重ね吹きなどをして下地をしっかりと隠すことが重要になりますね。

次にグレーサフとブラックサフです。

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いずれもしっかりと下地の赤色が隠せていますね。これなら大丈夫でしょう。

グレーとブラックを使う場合は、ほとんど下地の影響を受けない程度の隠蔽力を発揮してくれそうです。

7.強度

最後に皮膜の強度についてもテストしてみます。

果たしてどれくらいの食いつきでしょうか?水性の場合はこれが一番気になるところですね。

先ほどのスプーンを爪楊枝とピンセット(金属)で引っ掻いてみました。これも比較のために、600番のヤスリで足付けしたスプーンと足付けしていないスプーンを使います。

スプーンの傷はそれぞれ、上側が爪楊枝で気づつけた傷で、下側がピンセット(金属)で傷つけた傷です。

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やはり足付けしていない方の被膜が弱いことが分かります。

そしてさずがに鋭利な金属でひっかくとどちらも被膜が剥がれますね。これはラッカー系サフでも剥がれるかも。

拡大画像がコチラ。

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足付けしていないと爪楊枝でも若干の剥がれ感がありますね。

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足付けした方は、爪楊枝で擦るくらいでは被膜が剥がれたりしないことが分かりました。よく見るとうっすらと跡が見えるのですが、被膜自体は全く大丈夫です。

パーツへのサフの食いつきを良くするための「足付け」の重要性がよく分かる結果となりました。

しかし、素晴らしいですねぇ。

結構しっかりと力を入れて擦りましたが、もはや水性と侮る勿れ!!といった感じです。

水性サーフェイサーのメリットとデメリット

水性サーフェイサーは確かに推しですが、そのメリットとデメリットについてははっきりさせておきたいと思います。

水性サーフェイサーのメリットとデメリットは、ラッカー系サーフェイサーのそれと表裏一体という部分がありますので、対比表を作ってみました。

比較項目水性サフラッカー系サフ
強度以前より強くなった水性より強い
臭気ラッカー系より少ない強い(強烈)
乾燥以前より早くなった水性より早い
洗浄ラッカー系より簡単非常に手間とコストがかかる
安全安全(VOC含まない)危険(VOC含む)
VOC=揮発性有機化合物

一般的に、ラッカー系サーフェイサーの方が水性サーフェイサーよりも強度があります。これは、ラッカー系サーフェイサーが溶剤ベースであり、その成分が塗装面に浸透して強固な密着性を得るためです。

そのため、ラッカー系サーフェイサーは硬化すると比較的硬い表面を形成し、耐久性が高い塗膜を形成します。

一方、水性サーフェイサーは水を基剤としているため、その成分が塗装面に浸透し辛く、一般的にラッカー系と比較すれば密着性が高いとは言い難いです。

また、水性サーフェイサーは一般的に柔軟性が高く、塗装面の微細な変形に対しては柔軟に対応しますが、硬度や耐久性はラッカー系サーフェイサーに比べて劣ります。

ただ、これらの弱点が「クレオス水性ホビーカラー」では克服されつつあります。

また、それを補って余りあるメリットが水性サーフェイサーにはあります。

◎臭気
 臭くない。頭が痛くならない。家族に迷惑をかけない。
◎洗浄
 塗装器具の洗浄が簡単。マジックリンで洗えるのでコストも安く済む。
 パーツのサフ落としも可能で、パーツへの負荷はゼロ。

最も大きなメリットはやはり「臭い」でしょう。なんどでも塗り直しができるという点も、心行くまでカラーリングを楽しみたい人にとっては重要なポイントだと思います。

まとめ

ではこの記事のまとめです。

結論的には「水性サーフェイサーはつかえる!」ということで推したいと思います。

クレオス水性サーフェイサーの仕様は下記のとおりです。

🔳クレオス水性サーフェイサー
 ラインナップ:グレー500番/グレー・ホワイト・ブラック1000番
 臭気:気にならないレベル
 上塗:水性アクリル塗料推奨
 希釈:専用うすめ液1対サフ1
 隠蔽:十分な隠蔽力
 強度:比較的強い